このブログでは、エンジンオイルの交換をご自分でやった事の無い方でも、わかりやすく、エンジンオイル交換の方法を写真とともに紹介します。
ご自分でエンジンオイルを交換してみたいけど、ちょっと心配だな、という方向けに、参考になればと思ってこのブログを書きました。
筆者はアフリカを拠点に活動するフォトグラファーで、ランクル75型には20年以上乗り続けています。
ほとんどのメンテナンスや修理はほぼ自分で行なってます。
ただ、車の専門家で無い事はご留意ください。
あくまでも参考までにご覧ください。
作業は全て自己責任でお願いします。
【コンテンツ】
簡単に車のご紹介
乗っている車、今回オイル交換している車は2002年から乗り続けているトヨタ、70型ランドクルーザーHZJ75。
1991年製造の、1HZ、4200ccのディーゼルエンジン搭載車。
乗れば乗るほど調子が良くなっています。
過去に行なってきたエンジンオイル交換が、今のエンジンの調子を保っているのは間違いないと想います。
エンジンオイル交換は、車を長く快調に乗り続けるのに最も重要なメンテナンス。
メンテナンスの基本中の基本。
この作業をおろそかにすると、車の寿命を大きく縮める事になります。
エンジンオイル交換の頻度
筆者の場合、オイル交換は、距離的に3000kmから5000kmの間、オイルのへたり具合から判断して行なっています。
ガソリンの自然吸気エンジンであれば、この倍の距離でも問題ないかと思います。
マニュアルを参考にして下さい。
長距離走行を多様した場合は距離が伸びて、5000km。
短距離走、悪路走行が多かった場合は距離が縮んで3000km程度で行ないます。
また、オイルの種類によってもその走行距離は変化します。
エンジンの稼働時間とほぼ比例する感じになります。
ランドクルーザーのマニュアルによると、エンジンオイル交換は5000kmごと、
以下の苛酷環境では2500kmごととなっています。
標高2000メートルを越える場所での走行
悪路走行
短距離走行が多い場合
筆者の車の使用環境
ナイロビの自宅の標高は1800mあるので、すでに苛酷環境に近い状態。
ナイロビから西に行くと、2500mを越える峠がいくつもあります。
それと国立公園内のダート道や悪路。
子供の学校への送り迎え、短距離走行も多いです。
という事で、筆者の車の使用状況は過酷環境に近いと思われます。
車の使用環境によって変化する、エンジンオイルの寿命、
エンジンオイルの交換距離に到達していなくても、
エンジンから今まで無かった振動やノイズ、エンジンオイルの減りが早くなって来たりしたら、エンジンオイルの交換をできるだけ早くする事をお勧めします。
エンジンオイルの種類
筆者の経験上、この1HZディーゼルエンジンにベストなエンジンオイルは
15W-40 のマルチグレード 鉱物油になります。
以前はシングルグレードのSAE40のオイルを使用していましたが、いろいろと試した末、15W-40のエンジンオイルが、静寂性、パワー、冷却性で最も調子のいいエンジンオイルです。
ちなみに10W-30では柔らかすぎたのが、振動が大きくなり、エンジンパフォーマンスは芳しくありませんでした。
最近の燃費を重視したエンジンに指定されているオイルは非常にさらさらしたものですが、距離が伸びてきた車、ちょっとだけ粘度を上げてあげてあげたほうが、調子が良くなるかもしれません。
ご自分で試してみる事をオススメします。
オイルのへたりの判断方法
あくまでも筆者のやっている方法です。
これらの症状から、エンジンオイル交換を早めに行なったり、遅らせたりしています。
エンジンオイルの手触り、新しいオイルの手触りシットリ滑らかに対して、さらさらで細かな異物感があったら即交換
エンジンアイドルのスムーズさ、音と振動、朝一の始動で大きな差となってくる
エンジンオイルの減りが速くなってくる
新しいエンジンオイルの手触り、感触を覚えておく事をオススメします。
エンジンオイル交換下準備
手が多少汚れる程度で、特に難しい事は全くありません。
作業を始める前に必要なものを準備します。
1HZのエンジンオイル交換に必要なオイルの量は、オイルフィルター交換で、マニュアル上では9.3リットルです。
エンジンオイル交換をご自分でやられる場合、マニュアル等でエンジンオイルの必要量を把握しておきます。
必要なもの
新しいエンジンオイル
オイルフィルター
交換作業に使用するもの(ランクル75型の場合)
筆者がエンジンオイル交換に毎度使用する物になります。
14mmリングスパナ: ドレインコックを緩め、閉めるために使用
専用の麻ヒモ: オイルフィルターを緩めるために使用、(オイルフィルタースパナ)
バケツ: 古いエンジンオイルを受けるため
大きなビニール袋(ゴミ袋): バケツが汚れないようにバケツに敷くため
マット: 車の下に横になっても汚れないように敷くため
ファンネル: 新しいエンジンオイルをエンジンに入れるのと、古いエンジンオイルを、ポリタンクに移すため
新聞紙: オイルをふき取るため
ティッシュ: オイルフィルター受けの古いエンジンオイルをふき取るため
手袋: 手が汚れたくなかったら使用します
エンジンオイルを柔らかくするため、ひとっ走り
まずは暖気、エンジンオイルを抜く前に、ひとっ走りしてエンジンを温めます。
粘度が下がった分オイルが抜けやすくなります。
徹底的に抜くために筆者の場合毎度、一晩かけてオイルを抜きます。
そこまでやる必要は無いでしょうが、筆者の場合こだわりの世界になります。
ですので、その日の全ての走行を終えた後に行ないます。
走った直後であればそのまま作業を始めます。
エンジンオイル交換10ステップ
10ステップに分けて、筆者の行なっているオイル交換の方法をご紹介します。
1、オイルフィラーキャップが緩む事を確認します
オイルフィラーキャプが緩む事を確認します。
緩まないのにエンジンオイルを抜いてしまうと、走れなくなってしまいますので。
フィラーキャップが緩まない事は、まず無いのですが、順番的にオイルが確実に入れられるという事を確認しておきます。
ここではまだフィラーキャップは取り外しません。
緩む事を確認したら、軽くしめます。
ドレインコックを外した時に、少しでもオイルの出てくる勢いを抑えるためです。
2、オイルフィルターを多少緩ませます
ケニアではおなじみ麻ヒモオイルフィルタースパナ
オイルを抜く前にオイルフィルターが外せる事を確かめるため、手で動くまで緩ませます。
ここで外してしまうと、オイルが飛び出してくるので注意です。
ちょっと緩ませるだけです。
オイルフィルタースパナの代わりに、専用麻ヒモと14-15mmのリングスパナーを使用しています。
写真のように、リングスパナーに結った麻ヒモを通し、片側をオイルフィルターにあてがい、てこの原理で緩めていきます。
麻ヒモは水を染み込ませてあげると、滑らなくなります。
この麻ヒモは、ケニアではいろいろと緩めるため、結わえて売っているものです。
いろいろと使える代物です。
片側には小さなリングが結われています。
ただ、これを使いこなしているメカニックにはまだお目にかかった事がありません。
ここでオイルフィルターを緩めておく事で、オイルフィルターの交換が確実に行なえる事を確認出来、その後の作業もよりスムーズになります。
3、バケツにビニール袋を敷いて、エンジンドレインコックの下に設置しドレインコックを外します
バケツにビニール袋を敷く事によって、バケツをオイルで汚さずに済むようになります。
ランクルの場合、車高が高いのでジャッキを使わずともバケツをエンジンの下に設置出来ます。
一般的な車で作業する場合、ジャッキスタンドでしっかりと固定して、車の下にスペースを作る必要があります。
※ジャッキを使用した作業には危険が伴います。
少しでも、不明な点があったら作業は専門家にお任せしましょう。
上抜きだったら安全ですね。
ドレインコックを、14mmのリングスパナで緩め、緩んだら手でゆっくりと回していきます。
ドレインコック外した瞬間
手をあまり汚さないコツ
ドレインコックを手で緩める時、軽くオイルパンに押しつけながら回していきます。
オイルパンに押し付けているので、ねじ山が終わってもオイルは飛び出してきません。
ねじ山の終わりは、カチカチと空回りした感じで分かります。
指先でドレインコックをつまみ、抜きやすい方向にし、素早くコックを抜き去ります。
エンジンオイルの流路が手と反対側になるように、若干手と反対側が先に開くように角度を付けて抜き取ります。
逆にしないように気をつけてください。
顔に飛び散ると大変です。
躊躇せず一気に抜き去るのがコツです。
上の写真、手袋してませんが、指先がちょっとだけ油で汚れるだけで済んでいます。
何度もやるうちにコツがつかめ、手をあまり汚さずに作業出来るようになります。
ドレインコックをくれぐれも落とさないように注意して作業を行いましょう。
オイルがこぼれないようにバケツの位置を調整します。
一晩かけて抜くと、風の影響でオイルが飛び散ります。
慎重にバケツの位置を調整して置く事をオススメします。
バケツの位置を調整したら、フィラーキャップを取り外します。
手袋をしているにこした事は無いですね。
使い捨てなので、油汚れをまったく気にする必要がありません。
4、オイルフィルターを外します
オイルが十分に抜け落ちるまでしばらく待ちます。
ここで待たずにオイルフィルターを外してしまうと、オイルが多く飛び散ることになります。
一晩中置いておくので、埃、ゴミ等が進入しないように、ビニール袋等で覆っておきます。
フィラーキャップも軽く、閉めておきます。
ゴミが入らず、空気だけ入る感じにです。
5、古いオイルを少しでもエンジン内から抜きだすため一晩置きます
ドレインコックと14mmリングスパナ
大抵、一晩置いた次の朝でも、わずかずつまだ古いオイルがポタリ、ポタリ落ちています。
ドレインコックはオイルをふき取り、14mmのリングスパナと一緒に分かりやすいように、保管しておきます。
ボンネットを閉めて、屋外の場合、雨対策はしっかりとしておきます。
6、オイルフィルター受けの汚れをきれいにふき取ります
オイルフィルターを取り付ける前に、柔らかい布、ティッシュなどを使って古いオイルをきれいにふき取ります。
7、ドレインコックを締め付けます
ドレインコックの締め付けトルクはランドクルーザー70型で、27Nmとなっています。
締め付けすぎないように注意しましょう。
筆者は今の今まで、エンジンオイルのドレインコックガスケットワッシャーは使用していませんが、とりあえず漏れは発生していません。
ドレインコックのフエルトが上手い具合にガスケットになっているようです。
このブログをご覧になっている方には、オイル漏れが発生しないように、毎度新しいガスケットワッシャーを取り付ける事をオススメします。
締め付けトルクをマニュアルで確認のうえ、トルクレンチを使って作業をすれば確実です。
8、新しいオイルフィルターを取り付けます
取り付ける前に、ガスケットに新しいエンジンオイルを指で塗布してすべりを良くします。
布などを使用すると、繊維がくっつきオイル漏れの原因になる事もあるので、素手で塗るのが最も安全です。
この時、オイルの感触を確認し、覚えておく事をお勧めします。
オイルフィルターの締め付けは、レンチを使わず、素手で行ないます。
ガスケットがエンジンに触ってから、3/4回転回したところが固定ポジションになります。
ゴムのガスケット、締め付けすぎも漏れの原因になりますので締め付けすぎに注意しましょう。
マニュアルにはエンジンオイル交換、2回に1度、オイルフィルターの交換とありますが、筆者は毎度交換しています。
オイルフィルターの中にかなりな量の古いエンジンオイルが残るからです。
9、エンジンオイルを注ぎます
ファンネルを使用すれば簡単に注ぎ込むことが出来ます。
規定量に近づくまで、こぼれないよう一気に注ぎ込みます。
この車のエンジンオイルの規定量は9.3リットルなので、8.5リットルぐらいまで一気に入れます。
そこからは、ディップスティックをこまめに確認しながらエンジンオイルを少しずつ注いでいきます。
エンジンを始動すると、オイルフィルターにもオイルが充填されので、もう少し入れてエンジンを始動します。
エンジンを始動させて、3分ぐらい回して、ドレインコックや、オイルフィルターのガスケット部分からエンジンオイルの漏れが無い事を確認します。
最後に、少しずつエンジンオイルを入れては計測を繰り返し、入れすぎないように注意しながら注いでいきます。
ここで走れる状態になったのでフィラーキャップをしっかりと閉めます。
外すのが大変にならないように閉め付けすぎないようにします。
10、しばらく走ってから再度エンジンオイルの量を確認します
しばらく走ってから再び計測、エンジンオイルの量が適正である事を確認します。
しばらく走ると、「エンジンオイルの量がまだ少なかった!」という事が多々あるので、しっかりと確認します。
筆者の車の場合、エンジンオイルの量がディップスティックのFマークぎりぎりの位置が最も調子がいいです。
真ん中の位置だとちょっとだけノイズが大きくなります。
筆者は、使用済みのエンジンオイルは、ファンネルを使って空になったポリタンクに入れます。
使用済みエンジンオイルは、ケニアでは木造建築のシロアリ除けとして需要があるので処理には困りません。
日本で作業をする場合、オイル廃棄パックなどを利用すると良いでしょう。
自治体によっては投棄できないようなので、注意が必要です。
実際、ご自分の愛車のエンジンオイル交換を行なう前には、古いエンジンオイルの投棄方法の確認しておきましょう。
筆者の行なっているエンジンオイル交換をわかりやすく解説してみました。
いかがだったでしょうか、そうそう難しい作業で無い事はわかっていただけたと思います。
ただ、最近の車いろいろな装備品が満載されているので、ドレインコックやオイルフィルターにたどり着くのも大変だったりします。
あくまでも、筆者のオイル交換方法を紹介したまでにすぎず、マニュアルでは無い事をご留意してください。
ご自分で作業を行こなう場合は、自己責任でお願いします。
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