皆既月食を終えたばかりの、ナイロビに昇る満月
2018年1月31日は、日本全国で皆既月食が見る事が出来たのだが、管理人は日本にいなかったので見る事は出来なかった。
日本時間で食が完全に終わったのが24時11分、管理人が住んでいるナイロビでは、月の出が現地の時間で18時50分。
日本時間でいうと24時50分、タイミングよく食が完全に終わってからの月の出だ。
一部でも欠けている姿が見られればと思ったのだが、残念。
それでも、皆既月食を終えたばかりのいつもとちょっと違う満月。
せっかくなので、宿題を終えた息子と一緒にアパートの屋上から月を観察した。
4年生になる息子は双眼鏡で月をのぞき、「すばらしい!」の声。
次回の皆既月食は今年2018年7月27日、ケニアで全過程が観察できる時間帯に起こる。
食の最大がケニアの時間で23時22分、日本だと5時22分だ。
日本では、食の始まりから皆既月食が始まる頃まで観られるが、肝心なところで明るくなって、月も沈んでしまう。
地平線や、水平線、山の稜線なんかに沈む皆既月食も乙でいいかもしれない。
管理人の最も印象に残っている皆既月食は、2007年3月3日から4日にかけて起こったもの。
その時の事をちょっと書いてみる。
当時、テレビ番組のロケハンでマラウイ湖に発生する巨大な蚊柱をつくるフサカ(刺さないやつ)についてマラウイのカタベイというところをベースに調査をしていた。
番組は巨大な蚊柱にタレントを突入させるという企画。
巨大な蚊柱がいつどこで発生するか調査していたのだ。
蚊柱の発生には月齢が大きく関係している事が分かっていたので、その因果関係を調べていた。
その日は満月だったのであえて夜中にボートで湖に調査に出かけた。
空は晴れ上がり、満月は湖とその周辺を明るく幻想的に照らし出していた。
湖畔はすぐに急斜面、深い森が広がっている、時々入り江があり、そこには漁村がポツリとあったりする。
しばらくすると、あたりは暗くなってきた。
曇ってきたかと、空を見上げると赤銅色に欠け始めた満月。
その日が月食だという事は全く知らなかったのだ。
食が進むうちに星は数を増やし、ゆっくりとだが天の川が現れてきた。
そして、皆既月食が始まると、あたりは満天の星につつまれた。
そこには不思議な色をした暗い月が浮かんでいる。
満月の夜に天の川が見られるのは、皆既月食の時だけ。
なんとも幻想的で神秘的な夜だった。
カメラを持っていない事が、逆に管理人の心に深くその印象を強く焼き付けた。
今でも目をつぶると、その時の風の匂いまでもが感じられる。
満月の夜の星空ショーが終わる頃、ロッジに戻り、冷たいビールをいただく。
祝福の時間だ、一人湖畔のバーで皆既月食に乾杯した。
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おわり