手元にはクローズアップレンズが何枚かある。
使用している最短撮影距離よりも近いところにもピントが合うようになるので、結構重宝する。
最近のレンズの最短撮影距離は、結構近くクローズアップレンズの使用頻度は減ってきているけれど。
しばらくぶりにフィルターを見てみると、
手元には58mm径のACクローズアップレンズが一枚あった。
しばらくぶりにフィルターを見てみると、その表面には美しいカビの世界が広がっていた。
「ありゃー!」
カビはフィルター表面だけに発生、幸い中には入っていなかった。
あまりにも美しかったので、撮った写真が上。
このACというのは、アクロマートの意味。
性質の違うレンズを2枚組み合わせ、発生する色収差を取り除きより高性能にしたもの。
No2という事は、1,000 ÷ 2 = 500 mm
焦点距離、500mm
ちなみにNo.1の焦点距離が1000mm
N0.3の焦点距離が333mm
No./1000mmがクローズアップレンズの焦点距離という事になる。
フィルター径が58mm、口径がフィルター径と同様と考えて、口径比(F値)は
500 ÷ 58 = 8.6
このレンズは500mm f8.6 のレンズという事になる。
レンズ表面には質の高いマルチコーティングが施され、アクロマート色消しと相まって、望遠レンズとして使えそうだ。
このACクローズアップレンズで写真を撮ったら、どれだけの画質が出るものか、興味が沸いてきた。
という事で、このレンズで望遠レンズを兼ねた、望遠レンズを作る事にした。
手頃な筒は無いかなーと、思いついたのは。
塩ビ管、太さも、直径5cm、7.5cmほかいろいろと揃っている。
なんといっても値段が安い。
この太さの違う2本を組み合わせれば、簡益フォーカスシステムが出来そうだ。
この間を埋めるには、適当なウレタン系のクッション素材が使えるだろうと見込んだ。
という事でこれらの素材を準備した。
今回使用した材料
上から7.5cm塩ビ管、5cm塩ビ管、車の各部隙間埋め、防振用に購入したウレタン素材、ヨガマットの切れ端、ニコンボディキャップ、クローズアップレンズ、割れたフィルターの58mmフィルター枠、パーマセルテープ
簡益カメラマウントは、ボディキャップに穴を空ける事にした。
塩ビ管は購入時大体のサイズに切ってもらったので、まず端を揃えた。
これのために購入したのは塩ビ管だけ、残りはあり合わせ、材料費は300円ほどで済んだ。
端を揃えた塩ビ管
メインの筒は、レンズの焦点距離が500mmという事で、まずは480mmに切った。
これでは無限にフォーカスが来ない事が分かったので、徐々に程よい長さまで詰めていった。
簡益カメラマウント
メーカー不明のボディキャップが一つあったので、それを犠牲にする事にした。
半田ごてを使ってジュワジュワッと穴を空けた。
接眼部、マウントはパーマセルテープで固定。
ヨガマットはちょっとルーズだったので、なにか挟み込んで調整する必要がありそうだ。
レンズ先端部
黒いウレタンはぴったり、結構きつくレンズフィルター枠は固定された。
クローズアップレンズはねじ込み式で付けはずし可能。
鏡筒は太いので、77mm径フィルターまで対応出来る。
光軸は、指で押したり引いたりして調節。
とりあえず仮組み完成 500mm f8.6 望遠レンズ
うす雲がかかっていたが、雲が若干途切れた瞬間に月に向け、シャッターを切ってみた。
クローズアップレンズを使用した望遠レンズ、ファーストライト!
適当な大きさにクロップ
D850にてピクセル等倍
うす雲がかかっていたが、思いのほか良く写ってくれた。
多少柔らかいが、色収差による色のにじみはほとんど発生していない。
流石は、ACクローズアップレンズだ。
f8.6だと、アクロマートでも結構行ける!
アクロマートの組み合わせ、レンズの精度等、かなりしっかり作られているようだ。
アクロマート望遠鏡としても、十分な性能だ。
内面反射の処理はまだ全く行っていなくても、月は良く写ってくれた。
でも、
日中撮るとこの通り。
朝方窓の外にレンズを向けて撮ってみた
さすがに鏡筒内の反射処理を全く行わず、フードも無い状態。
コントラストは非常に低い。
これから、内面反射の処理、フードの取り付け、三脚座の取り付けをしようと思っている。
さて、どれだけ画質が良くなるか。
望遠鏡を作る最強のクローズアップレンズは、
82mm径のNo.1ACクローズアップレンズになるのだろう。
これで望遠鏡を作れば、口径82mm、焦点距離1000mm、f12.2となり、惑星観察の十分出来るほどの望遠鏡が出来そうだ。
相当でかく長くなってしまうな。
次回に続く、かもしれません。
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