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Photographer Takashi Iwamoto Blog

ブログ | アフリカ フォトグラファー 岩本貴志|ドキュメンタリー ビデオ / 写真 撮影

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エンジンスタート、トラブルシューティング、その2、燃料ライン(ランクル75 1HZ 4200cc ディーゼル)

更新日:2023年6月26日


シャワーで汚れを落とすランクル75トゥルーピー、今年で満30歳


アフリカと日本を股にかけて活動するカメラマンのブログへようこそ。

このブログでは、管理人がケニアで乗り続ける愛車ランクル75、トゥルーピーの修理記を掲載しています。

この愛車、ケニアでの生活の手となり足となり、今年に入って生産から30年、購入から19年目に突入しました。

ますます快調に動いてくれるのですが、僕ら同様、時々体調を崩すようで、今回は燃料ラインの不調が発生したので、修理を行いました。


前回からの続きになりますので、よろしかったらそちらのほうも覗いてみてください。


ここに掲載する、すべての作業はケニア流、自己流です。

こんなやり方もあるんだ、と参考までに見ていただければ幸いです。


作業を行う場合は全て自己責任でお願いします。


このブログのコンテンツ


 


ここからは、前回のブログからの続きです


1、まだ残る不具合


愛車のランクル75、トゥルーピー、燃料ラインの問題を一つ一つ解決し、だんだんと調子が良くなっていったのであるが、どうも完全には直らない。


燃料はインジェクターポンプに届いているようではあるが、どうも時々、燃料ラインに空気が入ってしまっているようだ。

燃料タンクには十分な燃料が入っているにも関わらずだ。


インジェクターポンプがエアーを噛むと、「ビリビリビリビリ・・・・」と、なんともいやーな音が出る。

そして、エンジンのパワーが落ち、場合によってはエンジンが止まってしまう。非常に危険だ。


本来燃料で満たされているべきインジェクターポンプに空気が入っている状態、燃料で潤滑されていない状態だ。

金属同士が直接あたり、こすれあい磨耗する原因になってしまうので、ポンプにとっても非常に良くない。

それも、高圧で燃料をエンジンに送るポンプ、ディーゼルエンジンの心臓部にあたり値段も張る。早く直さなければ、大きな出費につながってしまう~。


以前からであるが、インジェクターポンプの調整ノブから多少の燃料が漏れていた。

それが下の写真。


矢印のねじ、エンジンの回転調整でよく使うねじだ


染み出る程度のゆっくりしたマイナーなものだったので、数年間ずっとそのままに。でも、この漏れ最近一気に増えた。

まずはこの漏れが原因かと疑い、修理する事にした。


 

2、インジェクターポンプの調整


1HZのインジェクターポンプには低回転アイドル調整、高回転の調整、そして今回燃料が染み出た箇所の、3個の調整ネジが付いている。


ちょっとだけ、この染み出たねじについてご紹介(上写真→のネジ)。

ロックナットを緩めて時計回りにまわすと、エンジンのパワーが上がるが黒煙が増え。逆に反時計回りにまわすと、パワーが落ちるが排気ガスがクリーンになる。そんな燃料の流量を調整するネジ。

一度に45度ずつ調整しながら最良点を見つける。(何かで読んで実行しているのだが、理にかなった調整角度だと思う。)


15年ほど前の昔、この調整ねじの位置と、燃費の関係を調べた事がある。

その時に分かった事、パワーを上げれば燃費は落ちるのは当然だが、思ったほど落ちず、下げすぎても燃費が落ちる事が分かった。

下げて燃費が悪くなる理由は、低回転のトルクが落ち、パワーを出すため低いギアで高回転を多様。それが余計に燃料を消費してしまう原因のようだ。

パワーを上げても燃費があまりおちなかったのは、低回転でもグイグイと車を引っ張ってくれるからだろう。

 

3、漏れの原因のオーリングを交換


ワッシャーを交換したが、漏れは止まらない。漏れの原因は中のOリングのようだ。

という事で、部品が無いので、インジェクターポンプ修理業者へ出向いた。


左が新しいOリング、右がくたばったOリング、


オーリング1個を単体では購入出来ないとのことで、インジェクターポンプ全体の、シーリングセットを2000円ほどで購入。

いつか必ず行なう、インジェクターポンプをサービスする時に使うので、無駄にはならないだろう。

問題は、必要な時に見つかるかどうか。何年も後の事になるので、ちょっと心配だ。

こういった類、購入してから見つかるケースが往々にしてあるのだ。


Oリングの交換作業はあっという間。

燃料漏れを起こしているネジを取り外し、Oリングを交換するだけ。Oリング取り付けの際、ちょっとだけグリスを塗って取り付けた。

Oリングを交換後、漏れは完全に止まった。


取り外した古いOリング、本来は弾力性のあるゴム部品のはず。でも、取り外す際バキバキにひびが入り、プラスチック部品かと思うほどに硬くなっていた。

上の写真でも分かるように、左の新しいOリングが古いものよりも大きい。

長年使っていて硬くなり、縮こまってしまったようだ。

こんな状況だったら燃料が漏れて当然だ。

これらゴム製のシーリング部品、寿命は15年ぐらいだろうか?

10年ぐらい経ったら、交換しても良さそうだ。


こんな小さな部品でも、走行に致命傷になったりするものもあるが、修理は驚くほど安く簡単だったりする。

日本のディーラーだと、今回の件の場合でも、数万円取りそうな気がするのは気のせいだろうか?こちらの国にも、そういったところは無きにしもあらず。

 

4、まだ発生するインジェクターポンプのエア噛み


という事で、問題は解決したかと思いエンジンをスタートしてみると、エンジンはかかるが、エア噛みは、まだ度々発生する。

問題の原因はここではなかったようだ。


はて、原因はなんだろう?


ディーゼルエンジンは負圧で燃料を燃料タンクから吸い上げている、ストローで飲み物を飲む感じだろう。

そのストローに穴が空けば、飲み物に空気が混じってしまう。

「ジュルジュル、、、!」と音がする状態。

そんな、燃料ラインのどこかに穴が空いている事を疑った。


といっても、一箇所心当たりがある場所があった。

 

5、燃料フィルタープライマーからの燃料漏れ


最近ポンピングをすると燃料が漏れてくる



燃料フィルターを取り付ける部品。

燃料フィルタープライマーというらしい。

この部品には、インジェクターポンプへ燃料を満たすための手動ポンプが付いている。

ポンプの下には燃料フィルター。


写真真ん中下の黒いパイプが、エンジンのインジェクターポンプへとつながるパイプ。

燃料フィルターでゴミを濾された燃料はこのパイプを伝ってエンジンに流れて行く。



燃料切れを起こした時、燃料ラインから空気を追い出すためのもの。ランクルのディーゼルエンジン(1HZ)は、このポンプを何度もポンピングする事によって、燃料タンクからインジェクターポンプに燃料を送る事が出来る。


最近、このポンプを作動させると、金属部品同士の隙間から燃料が染み出てくるのをみつけた。

上写真でも、右下から燃料が染み出してきているのがわかる。

圧力をかけて、燃料が染み出るという事は、その部分に穴が空いているという事。

穴があるという事は、エンジン作動してパイプ内が負圧になると、そこから空気が入ってしまうという事になる。


今回の不具合、きっと、ここをふさげば直るだろう。


さてさて、この部品、交換するか、修理するか。


値段を調べてみると、とある店では8000シリングと言われ、別の店では6000シリング、解体業者から買うと3000シリングという。

日本円で3500円ほど、購入してもさして痛く無い値段。

ナイロビでは、大抵の部品はネットで調べるのと同等の値段で手に入るのだが、これは高いな。

ちなみにネットだと2000円しないものもある。


しかしながら、今は正月、さらに週末が重なり、部品調達まで3日程待たなければならないという。



7、燃料フィルタープライマーの穴埋め


という事で、「ダメだったら購入すればいいや!」と、とりあえずは修理する事にした。


修理方法として、まず考えたのは、半田で穴を埋める事。

でも、アルミ部品だという事で却下。

アルミ溶接も考えたがポンプが熱でダメージを受けそうなので、こちらも却下した。


今回修理に使った方法は、アルミ製ラジエーターの穴埋め修理でよく使われる方法を採用する事にした。

こちらの国々でよく見かける方法、見よう見まねの作業だ。

何をするかと言うと、ブレーキパッドの削りかすを漏れの原因の穴にまぶし、そこに瞬間接着剤をたらして固める方法。

この方法であれば、ポンプが熱でダメージを受ける事も無い。


瞬間接着剤の素材は、耐油性もあるようで、燃料ラインに使ってもあまり問題は無さそうだ。

やってみないと分からないが。


取り合えずブレーキパッドを170円ほどで購入。

金やすりで削り、つなぎの粉をつくり、穴に充填。

そこに瞬間接着剤を数滴たらした。


ブレーキパッドの削りかすを隙間に充填、そこに瞬間接着剤を数滴たらす


上記した作業を、念のために2度3度繰り返し行なった。

これで穴は完全に塞がったはずだ。


ブレーキパッドの削りかす、体に悪そうなので吸い込まないように要注意。

それにしても、ブレーキの削りカス、ものすごく小さな微粒子。瞬間接着剤のつなぎとして、とても良さそうだ。


作業を終え、部品を元に戻し、ポンピングテスト。

いい感じで、燃料は全く漏れなくなった。

 

8、更なるインジェクターポンプからの燃料漏れ


さらにポンピングを続けると、以前より、ずっと高いプレッシャーがかかっている感触が手に伝わってくる。

すると、今度はまた別の場所から燃料が漏れてきたのであった。

なんと、音を立てながらインジェクターポンプから燃料が駄々漏れしているのである。

ポンピング後、エンジンルーム下部の地面が、燃料で染まった。

この漏れ、今まで気が付かなかったのが不思議なほど大きなもの。

おそらく、高いプレッシャーがかかって初めて漏れるのだろう。

エンジン作動中の不具合は、ここから空気が入っていたのが原因だったと疑われる。


漏れの原因は、インジェクターポンプの固定ナットの1本が緩んでいたため。


緩んでいたのはこのナット、よく見ると逆ねじだと分かる(インジェクターサービスビデオより)



管理人自ら作った、インジェクターポンプサービスのビデオが非常に参考になったのであった。

この緩んでいたナット、逆ねじだった。このビデオのおかげで、正逆間違えずしめる事が出来たのである。


緩んでいたナットをスパナで何とか締めつけた。

空間は狭く、やっとスパナが入れるほどの隙間。

スコーシずつまわした。

「さてさて、これで大丈夫だろう!」

という事で、再びポンピング。


今度はポンピングを続け、燃料ラインに高いプレッシャーをかけても、新たな燃料漏れは見つからず、漏れていた箇所の漏洩も完全に止まった事が確認できた。


これで、問題は解決しただろうという事で、プレヒートを行いキーをひねった。

エンジンはクランク半周ほど回っただけで、勢いよくかかったのであった。


いろいろ苦労の末、問題は解決したようだ。

修理後2週間経つが、問題は再発していない。


瞬間接着剤と、ブレーキパッドの削りかすの修復、どれだけの期間もつか楽しみだ。

感じ的には、ずっと持ちそうな気はするが。

 

9、早めの修理のススメ


ガスケット関係の経年劣化、何か開ける機会、簡単に交換出来るような機会があれば、漏れていなくとも10年も経ったものだったら交換したほうが良さそうだ。


それと、燃料でも、オイルでも染み出す程度でも漏れがあったら、何かしらのトラブルも未然に防ぐためにも、なるべく早く修理するべきだろう。

当たり前か!


愛車トゥルーピー75、トランスファーケースのオイルとパワステのオイル、少しずつ染み出すのだが、時々オイルを継ぎ足しつつ10年以上もほったらかしてるな(冷汗、)

漏れて減る量はずっと変化していないので大丈夫か。


個人的には、「これぐらいがちょうどいいかな?」とも思っている。

人間らしく不完全の車のほうが、愛着も湧いてくるし。(苦笑い)


言っている事とやっている事の違うダブルスタンダードでは無いか!


 

10、快調になりすぎるのも寂しくなるもの


そして、また一つ知恵がつき車が快調になった愛車。

プレヒートも朝一だけ必要になり、キーをひねれば、一瞬でかかるようになったエンジン。


何かしら問題が一つでもあれば、不具合を起こすエンジン。気持ちよくかかり、快調に回るエンジンは、健康のバロメーターでもあるだろう。


が、車が快調になりすぎるのも、車をいじくる理由が無くなってしまうので、またさびしさを感じるのである。


愛着のある車、いつでもいじくっていたいもの。

そして、調子が良くなり過ぎると、いじくるため色々と改造に走ってしまうものなのだ。

そんな余計な出費を防ぐためにも、多少不具合を残しておくのである!?


言い訳?


もともと車にはあまり興味が無かった管理人。

18年前、この車を購入した時には、ファンベルトの交換すら行なった事の無いほどの、ど素人だったのだ。

こんな風に、日々車をいじくっているうちに車に対しての知恵も付き、愛着も湧き、車がますます楽しくなるのであった。

 

11、最近の車に思う事


最近の車、ハイテク装備がものすごい。

だからいじりようにも、全てがコンピューターまみれなので、なかなかいじれない。

さらに、運転はオートマ。

オートマの運転は、運転していても、ミッションが思い通りに作動しなかったりとイライラが募るばかり。「何でここでキックバックするか!???」「勝手に動くな!」

そんなオートマで長距離走行すれば、左半身が長時間金縛り状態!やる事がなさ過ぎて、逆に運転は疲れてしまう。

眠気も湧くし、体にも、頭にも良く無さそうだ。


思い通りに操る感覚がないので楽さは半減だろう。

運転がつまらなく、眠くなるから自動運転が必要なのかな?

そんな楽しめない車に愛着など湧くわけはないだろうし、単なる移動手段の道具、愛車にはなかなかなり得なっても当然だろう。


これから自動運転機能などが、普及し、ますます運転の楽しみがコンピューターに奪われてしまえば、今までの車とはまったく別のものになってしまうのだろう。


ますます希少になる、いじって楽しく、運転しても楽しい車、

愛車ランクルトゥルーピー75、これからも大事に、末永く乗っていこうと思う。




最後までお読みいただきありがとうございました。



 




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