前回に引続き、ランクルHZJ75 ボディの補修その1、の続きです。
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ボディから部品を取り外していくと。
あらゆる部分の、錆、そして亀裂があらわになった。
特にボディ左側、
なぜか左側の腐食が激しい。
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後ろドア下部の修復
ボディ左側下部を中心に広い範囲で腐食が進行していた。
最も激しかった部分がボディ左後方下部。
左、後方のドアの後ろ。
とにかくぼろぼろだった。
ぼろぼろ加減が分かる写真は前ブログに掲載。
ガス溶接ですべての亀裂、錆びた部分を修復した。
小さな部分はロッドで、
大きな穴となった部分は新たに鉄板を貼り付け補修。
こんなに錆が進行した原因は、
ボディ下部、排水が上手くいかず、汚れがたまったまましばらくほっておいたから。
たまには汚れを落としていたが、ここまで腐食が進行するとは思っていなかった。
塗装は何年も前から浮き出していて、腐食が中で進行しているのは知っていた。
でも、修理はせずに、この日のために温存しておいた。
別に温存する必要は無いのに!
腐食した前部のタイヤ側、マッドガード裏に小さな穴が空いてから、急激に腐食が進行したようだ。
ぬかるみを走る度に、ドロがその穴のから中に入り込んだというわけだ。
ケニア西部のケリチョに住んでいた頃に、その穴からネズミが車の中を出入りしていた事がある。
車内のフロアマット、サイドブレーキケーブルなどあちこちかじられてしまった。
車の後部には作業時下に敷くために、毛布を装備、それがネズミの心地よいベッドとなっていたようだ。
その頃、なぜか後部窓が朝いつも曇っていた。原因はネズミの仕業。
車に穴があいたら直ぐに修復する必要があるだろう。
普通そこまで放置しないって!
この部分を修復するのは今回で2度目。
前回は10年ほど前、ボディ後ろ下部、同じ部分を左右同時に作業した。
右側は自らワーカーと共に作業を行い、左側はすべてワーカに任せて修理。
その結果が、これ。
右側は錆もなく、今回全く修理する必要はなかった。
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後ろドア下部も結構錆びていた
この後ろのドアも修理は今回で二度目、15年ほど前に同じ部分を溶接、修理した。
観音開きの右側のドアは、なぜか錆びない。
塗装の浮き、小さく見えても中では大きく腐食している。
これらの錆びは、雨ざらしでの保管、長年乗っているの車の宿命かもしれない。
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作業のためにドアを取り外した
ドア内側は外から作業が出来ず、車からはずして作業を進めた。
ダメージは外側よりも内側のほうがずっと激しく進行していた。
この部分、穴が大きすぎたので鉄板を貼り付け修復。
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ボンネット、フロントピラー付け根部分、トゥルーピー、ここにはよく亀裂が入る
フロントピラーとその付け根部分、ここはランクル70系ではよく亀裂が入るところ。
ケニアではピラーに亀裂の入った70系ランクルをよく見かける。
きっと、振動が集中する部分なのだろう。
この車も、この部分の補修は今回で2度目。
一度目は15年ほど前に修理した。
舗装路だけを走っていれば、亀裂など入らないのだろう。
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ガス溶接で亀裂を塞ぐ
鉄板の裏側には配線やプラスチック等の燃える部品もあるので、熱が伝わらないよう濡れ雑巾など使って燃えないように作業を進めた。
鉄板内側の見えない部分、見張っていないと、中にあるプラスチック部品などよく焦がされてしまう。
煙がモクモクと出てきてから燃えないように手を打ったりするのでご用心!
こちらでも出来る人間はそんな事はもちろんしないが、ちまたのにわか溶接氏はよくしでかす。
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フロントピラー左側下部にも長い亀裂が
亀裂はこちら左側のほうが激しかった。
左側は、外側に加え内側からも溶接。
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ドアの付け根にも亀裂と錆び、修復した
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前部にも錆と亀裂
錆は数は少ないものの前部にもいくつか見当たった。
塗料、フィーラーをそぎ落とし、さらに錆をそぎ落とす。
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バッテリーホルダー、バッテリー冷却のため吹き抜けの穴を空けた
この70型のランドクルーザー、ボンネット前部が絞られているため、バッテリーの配置がエンジンに近い。
これが原因で、高速での長距離走行時、エンジンの熱がバッテリーに伝わりバッテリーがオーバーヒートしてしまうのだ。
バッテリーを少しでも冷却されるよう。
箱の前後に吹き抜けの穴を開けた。
写真では後部はまだ空けていないが、この後、後部もガスで穴を空けた。
吹き抜け穴の効果のほどはまだ分からない。(後日、効果の程は十分なものだと確認)
テストしてから、更にエンジンの熱を受けないよう熱遮蔽板をつけようと思っている。
一度にやってしまうと、効果のほどが熱遮蔽板のおかげか、吹き抜け穴のおかげなのか分からなくなってしまう。
こういった事は、自ら効果の程を確認、理解するために、一つ一つ行なう事をオススメする。
バッテリー下部、マッドガード部分も広く腐食していたので、鉄板を貼り付け修復した。
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ボンネットにも多くの亀裂
錆びはないが、ボンネットにも多くの亀裂が。
見つけたものは全て修復した。
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修復は車の中にも及んだ
これは左側後部ドアのステップ部分。
この部分の修復は今回が初めて。
助手席側の足元、フロア部分も腐食、いくつかの穴が空いていた。
こちら6年ほど前に一度修復した箇所。
走行中、この穴から排気ガスを含んだ風と共に、大きなタイヤのきしみ音とエンジンの大きなノイズが入ってきていた。
見つけた錆び、亀裂等は全てこのように、ガスで溶接で修復を行なった。
それにしても、こんなにも修復箇所が多いとは思わなかった。
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大まかな溶接作業は終わった
溶接作業と共に、溶接修復の終わった箇所には同時進行でパテが塗られていった。
作業前半、大まかな溶接作業が終わろうとしている。
ここまでおおよそ1週間の日程を要した。
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つづく
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