今回は一旦オオタカをお休みした、車のについて取り上げます。
回転力が弱ってきたケニアで乗っているランクルのスターターモーター、
以前このブログで2度ほど取り上げた事があります。
スターターモーター内のとあるものを交換しする事によって、大復活したのでその事についてブログで取り上げる事にしました。
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購入から17年目、ボディ、外装、内装大修理を終えた愛車 (HZJ75)
管理人の乗っている車は1991年製のトヨタ、ランドクルーザー(HZJ75)通商トゥルーピー(トゥループキャリア)と呼ばれ、日本ではあまり見かけない車。
エンジンは1HZ、4,200ccのディーゼルのノンターボエンジンを使用したもの。
この車、今年で製造から29年が経過、管理人が乗り始めてからは17年目に突入した。
ちょっと前にボディーの大修復、全塗装、内装の張替え等を行い、見てくれは29年前の車とは思えないほどに、内装外装含め全てピカピカとなった。
この作業、開始から1ヶ月以上かけてやっと完成にこぎつけた。管理人は可能な限りガレージに通い、つなぎを着て作業にあたったしだいである。
車がぴかぴかになると、今まで気にならなかった細かな事も気になるようになり、あらゆるものを直したくなってくる。
細かな仕上げは今でも進行中で、最近は静音化とオーディオの最適化、あれこれいじっている。
この大修復については今後お話するとして、今回はスターターモーターについて。
このランクル、キーをひねれば、エンジンは問題なくかかるのだが、最近スターターモーターの回転力が落ちてきたので、今回それを直す事にした。
今までスターターモーターの
パワーが落ちた時は、ブラシとその接触部分、ケンミテーターを細かな紙やすりで表面を磨いて、掃除をしたりしていた。
でも、最近は作業を行なっても以前のようなパワーが戻らなくなっていた。
もちろんバッテリーは、外付け充電器で万充電にし、バッテリー電圧もしっかりある状態にしてもである。
このパワーの低下は最近、急激に進行していた。
サファリ中、ブッシュの真ん中で、エンジンがかからないのは非常に危険である。
ここで昔、スターターモーターではないが、マサイマラでの経験談をひとつ。
ディーゼルエンジン始動に必要なプレヒート用のケーブルの一部の接触不良があるにもかかわらず、直さずに1人愛車と共にサファリに出かけた管理人、十年以上前の事だ。
サバンナのど真ん中で急にその症状が出てしまい、エンジンをかけようにもかからなくなってしまった。
車から出れば簡単に直せるものだが、車のすぐ脇ではライオンたちがお昼寝中。
エンジンをかけようとキーをひねっても、プレヒート出来ないので、スターターモーターはむなしく唸るだけ。
という事で、居眠りするライオン君たちに気づかれないよう、そっと車の外に出てプレヒートの修理を行ない、何とか修理。
無事にエンジン始動、事なきを得た。
他にもいろいろあるが、夜が迫ってきたり、ぬかるみで雨が降ってきたりと、そんな時、エンジンが始動出来ないほど心細いものは無い。
町の中だったら通行人に押してもらえば、事は済むがブッシュの中ではそうはいかない。
いきなり話は横道にそれてしまった、
今回、このスターターモーターの動きが鈍くなった原因は何か他にある事が考えられた。
この修理には部品交換も必要と思われるので、自分では分解せずにまっすぐ以前お世話になった地元電気系専門のメカニックに見てもらう事にした。
以前そこでは、ワイパーの動きが鈍くなった折に修理してもらった事がある。
このワイパーは長年の使用でのコイルのへたりが原因で、パワーが落ちていた。
その時は、中古で合致するコイルの入ったアッセンブりを見つけ出して交換し、購入時よりもパワフルにワイパーが動くようになった。
という事でスターターモーターを車から取り外した。
ランクルのスターターモーター一式
スターターモーターをのカバーを取り外してみると、動きの鈍くなった原因はすぐに分かる事となった。
ブラシは磨り減ってないが、真っ黒、これが原因だ!
その原因は、コイルで無く、ブラシの酸化が原因であった。
上の写真を見て分かるように奥の二つのブラシは真っ黒となっている。
手前の2個のブラシは数年前に一度交換、奥の2個のブラシは乗り始めた17年前から一度も交換していない。
前回、修理の折コスト削減のためにブラシ2個だけ交換、結局その時全て交換すれば良かったのだが、(たった700円ほどの節約)
当時はブラシ素材の銅が酸化して劣化する事など思いもよらなかった。
いろいろと失敗するのは、簡単に上手くいってしまうよりもいろいろと知恵をつける事が出来る。
今回の件が無かったらスターターモーターの銅が酸化して電流を流しにくくなってしまう事等は知る由が無かっただろう。とかなんとか・・・
新しいブラシと見比べると差は一目瞭然
このブラシの部分、エンジンのスタート時、通電の度に大電流の流れる場所、長年の大電流に晒されて劣化が進行したものと思われる。
上の写真、右がこれから交換する新しいブラシ、きれいな銅メダルのような色に対して、左の使い古したブラシは真っ黒。削っても芯の芯まで真っ黒だった。
調べてみると、銅の性質として一旦、酸化、劣化が始まると急激に酸化が進行するそうだ。
酸化する事によって電流も流れにくくなり、今回のような不具合が発生する事になる。
最近、スターターモーターの力が急激に弱り始めたのも、きっとブラシの銅の酸化が急激に進行した表れなのだろう。
30年ほど経過すると、こういった、配線系の一部、金属部品の劣化が出てくるようだ。
という事で、全ての部品を組み直し、車にスターターモーターを取り付る事に。
スターターモーター取り付け作業中、
スターターモーターにつながるポジティブ(+)のメインケーブル、モーターの付け根に当たる部分が、ささくれ立って銅線の半分ほどがぶち切れているのを見つけた。
このままだと多大の電流の損失、抵抗になってしまう。
その写真は撮り忘れてしまった。
銅線先端部のターミナルを新しいものと交換、しっかりと半田付けした。
たった12ボルトで大きなエンジンをスタートさせるため大電流を一気に流すケーブル、スタート時には、一気にとてつもない大電流が流れる。
その大電流をより流れやすくするため、車の中では最も太いケーブルを使用し、バッテリー直でスターターモーターにつながっている。
今回同時に、そんな重要なケーブルがダメージを受けている事を確認出来たのは大きな収穫だった。
ケーブルを修復してから、スターターモーターを元の位置に戻し、全てのケーブルも元に戻した。
エンジン始動準備完了だ!
さて、十分なプレヒートを行なってから、キーをひねった。
すると、スターターモーターは今まで聴いた事も無いような驚くほどの爆速で回転。
その回転音も以前より1オクターブほど上がっているようだ。
「すげー!」喜びがこみあげてくる。
だけれど、
「あれれ・・・?エンジンがかからない。」何度やってもかからない・・・
そんな時のチェックポイント
燃料はインジェクターポンプにちゃんと到達しているか?・・・ フュエルフィルター上部の燃料ポンピングしてみると、燃料がパイプ内に充満している手ごたえは十分あるので、燃料はインジェクターポンプまでしっかりと到達している。
プレヒートはちゃんと通電しているか?・・・ プレヒートオンにすると若干ダッシュボードのライト類が暗くなる、ちゃんと通電しているようだ。ただ、若干暗くなる比率が小さい、何かしら不具合があるかもしれないがエンジンスタートは十分出来る筈だ。
インジェクターポンプにつながる一本の、ポジティブケーブル断線していないか? 「ハーイ!断線してます!」 これが断線していたらエンジンは絶対にかからない。
という事で3のインジェクターケーブルの断線が原因でした。
スターターモーターを取り外した時か、付け直す時に外れたのだろう。
この国で車の修理を依頼すると、こういう事が良く起こる。
今回はケーブルが外れただけで済んだので良かった。
ケーブルを接続し、準備が整ったところで。
再度キーをひねってみる、
エンジンはスターターモーターのあまりの元気さにびっくりしたように、一瞬でスタート。
したかと思ったらすぐに止まった。
最近こんな勢いで、回された事は無かったエンジン君、スターターモーターが何か悪い薬でもやっていないか疑っているようだ。
アイドルスピードよりもずっと早くまわされるのが原因なのか燃料が一瞬不足するのか止まってしまうように感じる。
燃費と、エンジンブレーキの効きを良くしようと、アイドルスピードを結構絞っているので、アクセルをちょっと踏み込んで再度キーをひねってみた。
今度は、エンジンは気持ちよく、新車のように元気にエンジンがかかった。
プレヒートのライン、もしかしたら十分電流が流れていないかもしれない、今度はプレヒート系を点検する事にしよう。
こちらも結構な大電流が流れるライン、もしかしたら、同様に配線銅が酸化して電流が流れにくくなっているのかもしれない。
今から蓋を開けていじくるのが楽しみだ。
だから古い車はやめられない。
さて、妻にどう言い訳して作業を始めるか。
今回はおわり
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このスターターモーター修理前後の変化、修理の様子を動画にまとめてみました。
ご興味のある方は下の動画をクリックしてみてください。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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