10月6日、今年準大接近となった火星、夜空に明るく輝き、結構大きく見られた火星。
残念ながら、その日を前後したしばらくの期間、仕事の関係で、惑星の撮影が出来ずじまい。
さらに、天候に恵まれなかったりと、やっとの事撮影できたのは11月15日、順大接近から1ヶ月以上も経ってからになってしま
った。
そのときに撮影した火星の最終出力画像が下の写真です。
撮影地はナイロビから70キロばかし南に行った、オロルゲサイリエという場所。
今回は、その時の火星の写真を紹介します。
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画像処理で、ここまで模様が浮かび上がった
今回も、拡大撮影法での撮影。
上の写真、東西南北は修正済み、だから写真、上が北、右が東。
今回撮影して感じたこと、地球との順大接近の衝から40日ばかししか経っていないのに、「火星ってこんなに欠けてしまうのだなー!」という事。
準大接近の10月6日の地心距離、0.414AU、視直径22.6"と比べると、撮影時の地心距離は0.541AU、視直径17.3”直径で3割ほど小さく見えている事になる。
(データは、ステラナビゲーター95で算出。)
写真をよく見ると、北極と南極に極冠が見てとれる。
どちらもそう大きくない。
水ではなく、ドライアイスの雪原だ。
火星は25度ばかし地軸を傾けて自転しているので、地球と同様、季節の変化がある。
画像の極冠の位置から、北極側が太陽の方に傾いている。
北半球の極冠がまだ残っているという事から推測すると、北半球はきっと春か初夏なのだろう。
よく見ると、南の高緯度付近、右下から細長く、白い線が延びている。
強い風が吹いて、砂が巻き上げられているのだろうか?
火星では月と同様、表面に暗い部分が海といわれる。
実際は海といわれても、当然水などがあるわけではない。
画像、真ん中左上の黒い部分、おそらく大シルチス、ここから右下に小シルチス。
その下のちょっと明るい部分がヘラス盆地。
ではなかろうか?!
写真用の500mmの望遠レンズで、ここまで火星の細かな様子が観察出来てしまうとは。
準大接近の時に撮りたかったものだ。
撮影方法
今回の撮影も以前、ゴーヨンでの木星撮影でご紹介したのと同じ方法で撮影。
レンズは、ニコンのAi Nikkor 500mm f4P で、カメラはパナソニックGH4を使用している。
全ての画像は開放のf4!
動画で撮影した映像を、いつものようにRegistax6で処理、最終処理はフォトショップで合成、トーンを調節して仕上げた。
続けている太陽の撮影で繰り返している合成処理作業、作業もかなりこなれて、手際よく処理にかける時間もかなり少なく済むようになって来た。
上の写真は、素材を変え、Registax6での処理を変えたものをいろいろと試しながら、合成。
一つ、前回の木星撮影と違うの点は、画面上小さな画像でしかない火星を、大きく見せるため、元画像をピクセルを200パーセント拡大し、1ピクセルずつ、それぞれ画素ずらしをして合成している。
この画素ずらし技、画質の劣化を抑えて拡大できるので、結構使える。
前回の木星の画像も、画素ずらし処理をすればもっと細部まで浮き上がるだろうか?
近々やってみよう。
ちなみに今回も、西の空低いところに姿を見せている木星と土星も、火星の撮影前に撮影した。
しかしながら、驚くほどのシーイングの悪さで、木星も土星もファインダー画面の中でこねられるようにグニョグニョと、うごめくありさま。
画像は到底、期待出来そうもないので、出力処理は行っていない。
地球の外側、最も地球に近い軌道を公転する火星。
地球よりも多少ゆっくりと、地球と並行して一緒に動いているので、結構長い期間、夜空にその姿を見せてくれる。
逆にいうと、それだけ見えない期間も長いともいう事が出来る。
来年、1月22日に東矩(北半球では、日没時に、ちょうど真南になる。)を向かえ、次回の地球への接近は2022年12月1日。
地球と火星が会合する期間は、2年2ヶ月おき。
次回は前回(2018年7月31日)の大接近と、今回の準大接近(2020年10月6日)と比べると、あまり近づかない小接近。
再び火星が大きく見える準大接近は、2033年7月、大接近に関しては2035年9月まで待たなければならない。
火星の軌道は結構な楕円軌道、しばらくの間その大きく膨らんだ部分で地球と会合する事になる。
13年後の次回の準大接近、その頃には、撮影機材に関しても大きく変わっている事だろう。
その頃、もしかしたら火星に人類が到達しているかもしれない。
それは無いか。
という事で、しばらくぶりのブログ。
頭が固くなっているので、再開のブログはここらへんで。
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