この記事は2020年6月1日に投稿したものですが、2020年9月、ブログが新しくなった際に消えてしまったので、バックアップから復活させたものです。
今回は、ケニアでもあまり知られていない国立公園についてご紹介いたします。
「都会に進出した猛禽、オオタカ」の続きは次回のブログで取り上げます。
■
マサイ・マラ、アンボセリ、ナクルといえばケニアにサファリに来る人たちであれば、日本人でも聞いた事のない人がいないほどに有名な自然保護区。ケニアにはそれ以外にも多くの自然保護区が存在する。
ケニア西南部、ビクトリア湖からそう離れていないところに、ケニア人でも知る人の少ない国立公園が存在する。名前はルマ国立公園(RUMA NATIONAL PARK)。ケニアの中では珍しいロアンアンテローブが住んでいる。この動物、ケニアの中ではこの公園でしか見る事が出来ない。
今回は2019年9月、家族連れで日帰りでルマ国立公園を訪れた時の様子を紹介する。
家族は、1歳の子供を含めた子供3人と妻とで合計5人。
この前の晩はここから20キロほど離れたビタ(Mbita)というビクトリア湖湖畔の宿で一泊、そこからの出発である。
出発はいつもながら昼近く、なかなか家族を引き連れては早く出発出来ないのである。
入場料は変わらないのでなるべく早く公園に入りたいのだが、なかなかそうはいかない。
ニャトトゲートより入場(Nyatoto Gate)
前宿泊地より最も近いゲート、ニャトトゲートより入場する事に。
公園の入場には現金が使えないのでクレジットカードで支払おうとするが、ネットワークがつながらず、クレジットカードでの支払いも無理、という事で※Mpesaでの支払いをする事となった。しかしながらMpesa口座には十分な金額が無く、ゲートレンジャーを通して、近くの町でデポジットしてもらい、何とか支払い完了させた。
この支払いだけで更に、1時間も貴重な時間を浪費してしまった。
次回は、Mpesaに十分にお金を入れてから出かける事にしよう。
入場料を支払いハッチを前開、サファリの支度を整える
公園ゲートで車上部のハッチを全開に。この天井を全開に出来るハッチがサファリの楽しさを倍増させてくれる。
愛車トゥルーピーは完全サファリ使用と改造しており、運転席側と後部座席全て天井が開く仕組みとなっている。
柱が多少邪魔になるが、360度の眺望、更にエンジンを止めれば動物たちの気配や鳴き声を360度のサラウンドで楽しめる。車高も高いので、車内で立てば、目の位置は地上2.5メートルほどになり、遠くまで広い視界を見渡す事が出来る。
とにかくこの車、サファリでは楽しい事尽くめ。動物、自然好きにはたまらない。
ゲートをくぐりサファリを開始すると、まず出迎えてくれたのはサイ君。
絶滅の危惧に瀕している動物だが、ケニアではナクルを中心にサイの繁殖がなかなか上手くいっている。増えた個体は各公園に振り分けられ、ケニアの国立公園では結構良く見られる動物だ。
そんな手をかけられた動物が野生動物か?と聞かれれば微妙なところだが、これから野生化、帰化していく、と言う事は出来るだろう。
まずはサイ君が僕ら家族を出迎えてくれた
同じ種の野生動物でも、その住む環境によって性格、行動様式はまるっきり違う。
例えば密猟や、猟場が近くにある場合。そんな場所にいる動物たち、銃の危険を十分承知しているので、銃の射程圏内には近づこうとしない。
向こう側からすれば全ての来訪者が、危険なハンターという認識で近づく事は殆ど出来ない。そんなとこでゲームドライブしてもあまり面白くない。
このサイは殆どおびえる様子も無くこちらの様子をうかがっていた。
サイは道路を渡りたかったようだ
しばらくサイを見ていると「道を横断したいので車が邪魔だ!」と訴えてきた。
しばらく車を止めて待機、サイに道を譲り、横断するのを待った。
サイが道を渡る時、その巨大さが良くわかる、道の轍の幅は2メートル以上。斜めになっているから全長3メートルはありそうだ。やはりでかい!
ルマ国立公園の植生はだいたいこんな感じ
この公園の植生はサバンナというよりも、低いアカシアのとげとげブッシュランドだ。
こんな植生を好む動物といえば、そう「キリン」だ!
とげとげのアカシアをぺろりと食べてしまうあの動物。
人が手でアカシアの小枝を折ろうとしても、棘がちくちく痛くて触るのがやっと、なかなか折る事が出来ない。
そんなアカシアの枝を舌だけでポキポキと軽く折りながら、ペロペロとおいしそうに食べてしまう。
この棘、バラなどの棘とはわけが違う、長さが5センチ以上にも達し、乾燥していて先は非常に尖っていて固く強力だ。車のタイヤをパンクさせてしまう事もあるほど。
それをいともたやすくペロペロ、ペロペロ!ニャムニャム、ニャムニャム!と。
自然の世界も、「成せばなる」という事だろうか?
そして、成されるアカシアのほうも「これでもか!」と、もっともっと棘を長く、硬く、鋭く、食べられないよう武装してきたのだろう。他の多くの動物は制したが、そこまでやったのにもかかわらず、キリンは無理だった!という事だろう。
そんないたちごっこの上に長い年月をかけ、絶えず変化を続けながら現在に至る自然。見ていて妄想が膨らんでくる。これからどのように変化、進化して行くのだろうか。おそらく人類は見る事が出来ないだろう。それは未来の人類以降の自然という事だ。
この後、公園のワーデンに聞いて知る事になるのだが、ここはキリンのパラダイス。
ケニアの国立公園の中では最も高い密度でキリンがいるそうだ。
実際、長年アフリカにいるが、今まで見た中でいちばん大きなキリンの群れを見た。
キリンの大きな群れが見れるのもこの公園の醍醐味だろう
ここのキリンは警戒心が結構強くあまり近づく事が出来なかった。キリンの赤ちゃんたちがいるからだろうか?
これが彼らの安全距離のようだ
上の写真右下には小さな小さな生まれてそう発っていない赤ちゃんキリンがいる。他にも赤ん坊から、子供、若い世代と若い世代がけっこう多いので繁殖も上手くいっているようだ。
その他に、インパラやシマウマを見る事が出来たが、ロアンアンテロープは残念ながら見る事が出来なかった。
入場したのが15時過ぎと非常に遅く、ゆっくりとサファリを楽しむほどの時間的余裕は無く駆け足で、公園内を車で散策した。入場したのとは別のカマトゲートをから閉園時間の18時30分きっかりに出る事を目指して公園をドライブた。
カマトゲートへ続く道
雨が降ると、ちょっとやばそうな、ぬかるみになりそうな場所がいくつかあった。
基本的な事だが、四駆の車は必須だろう。
カマトゲートのすぐ近くにはキャンプ地がある。
最後にそのキャンプ地を視察する事に。
やはり、サファリをより楽しむにはキャンプは必須!
日帰りだと、日が沈む前にゲートを出なくてはならないので、ちょっと物足りない。
最も美しい夕焼けの時間帯に野生動物を楽しむ事が出来ないのだ。
公園内でキャンプをすれば、その最もおいしい時間をゆっくりと楽しむ事が出来るのだ!
程よい広さと傾斜、木陰もあってなかなかいいキャンプ地だ
このキャンプ地、程よい広さ、芝生も生えていて石ころも殆ど落ちていないので、どこにでもテントが張れる。程よい傾斜もあり水はけも良さそうだ。水場とトイレがある以外余計なものが無く非常に好感の持てるいいキャンプ地だ。
キャンプの醍醐味はやはり、自分自身が、つかの間、普段の生活から抜け出せる事だろう。都会で生活している者にとってはなおさらだ。
それも、野生動物たちの気配に囲まれながら。
そんな環境で火を囲めば、太古の昔から動物と共に生きてきた、血が騒ぎだすのかもしれない。
都会では感じる事の出来ない非常に心地のいい時間が流れていく。
夕日も眺められる、なかなかいい立地条件だ!
このキャンプ地、多少高台になっていて見晴らしが良く、夕日がよく見れる。
文句なしのいいキャンプ場だ。
次回はキャンプをして、じっくりとこのルマ国立公園を散策する事にしよう。
何時になるかは別としてだが。
カマトゲート
短時間ながら家族全員大満足!やはりサファリは楽しい!
夕日を背に家路についた。
この後は魅惑に満ちた、ケリチョの街まで150キロ程のナイトドライブが待っている。
これもまたサファリの醍醐味。
子供達も皆、魅惑のナイトドライブが大好きだ。
■
おわり
関連記事
Comments