今回は日本滞在中、多くの日数を観察に費やしたオオタカについて取り上げようと思います。
この記事はケニアで書いています。
オオタカが都市部に生息域を広げるには、にカラスとの折り合いをつけなければならない
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去年の8月、親離れしつつあるオオタカの幼鳥について3回ブログで取り上げた。
巣立ったオオタカの雛は1羽だけだったが、もともと3羽の雛がいたそうだ。
しかし、カラスの襲撃によって2羽の雛は巣立つ事無くこの世を去ってしまった。
去年オオタカが繁殖に使った巣は、もともとカラスが作ったもので、それをオオタカが乗っ取ったのだ。
その巣の周辺にもいくつかカラスの巣があるが、オオタカのいる近くで繁殖など出来るはずも無い。
もしオオタカがいなければ、いくつかのカラスのつがいがその場所で繁殖を成功させていたのだろう。
カラスにとってしてみれば生活を奪ったにっくきオオタカ、なんとしても追い出したい。
集団でオオタカの追い払いにかかるカラス、仲間が多いと強気だ
アフリカのサバンナであろうと、珊瑚の海であろうと、種は過去から未来にわたって安定してその場に生息しているわけではない。
そこには常日ごろ、限られた餌や場所をめぐっての種間の争いが繰り広げられている。
強いもの、もしくは利口なもの、環境により適応したものが生き残っていける争いだ。
さらには、種の中でも同様の争いが起こっている。
人間の主観的には、オオタカの敵、にっくきカラスとなるだろう。
でも、常日頃オオタカの餌食になっているキジバトなどの小鳥たちにしてみれば、オオタカとカラスのバトルを見ながら、きっとカラスを応援している事だろう。
いつもは嫌がらせばかりしてくる嫌なカラスも、この時ばかりは頼もしい。
都市の限られた繁殖場所をめぐってのカラスとオオタカの争い。
争いに敗れれば、他の場所を探さなければならないのだ。
他の場所を探すといっても、なかなか先客の無い良い場所などなかなか無いのだ。
だから、お互い必死にならざるを得ない。
背後から襲いかかろうとするカラス、気配を察知したのかオオタカは首をひとひねり
オオタカは真後ろを向こうとする時、時折横からで無く、上から後ろを向く。
左右の状況を途切れなく見続けられるメリットか?素早く首を動かせるからか?目が回らないためか?この固体に限ったことなのか?
タイミングを見計らいアタックを仕掛けるオオタカ
一瞬のうちに敵の速度や方向、高度差など計算してというか、体に染み付いた飛行テクニックによって相手の動きを察知して攻撃を仕掛けるオオタカ。
小鳥をハントする能力を身につけたオオタカにとっては朝飯前なのだろう。
カラスの攻撃から体を縮めて身を守るオオタカ
飛行性能はオオタカのほうがかなり勝るのだが、高度差や速度などの状況によってはオオタカが不利になる事も。
上空から速度を上げながら接近し、いったん下に回りこみ今度は高速で上昇してきたカラスの攻撃を何とか身を縮めてかわすオオタカ。
特に戦闘飛行に長けたエースのカラスもいるのだろう。
10日間ほど激しいカラスとのバトルが連日続いたのだが、カラスは敗退したのかそれ以降あまりオオタカに仕掛けなくなった。
それでもたまに大勢で攻撃にやって来る。
この攻防は、これからも続く事だろう。
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つづく
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