このブログでは、2017年7月から2018年12月までの間、都会の公園の中、管理人の目の前で繰り広げられた野生のドラマ、オオタカの生き様を紹介しています。
1羽の雛の頭が見えた、5月27日
前回、母鳥の行動から卵は孵っているようだけれど、雛の姿が見られないという事を紹介しました。
今回はその続きになります。
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雛の姿は見られないが、母親のエサを与える頻度が日を追うごとに増してきた。
初めて肉片のようなものを巣に運んでから結構な日数が経過している。
その間、雛は大きく成長したものと思われる。
耳を澄ますと、巣のほうからかすかながら甲高い声で「ピーョ、ピーョピーョピーーョ、ピーーーョ!」という声が聞こえてくるようになってきて、その声も日に日に大きくなってきた。
雛の姿が見られるのも、そう遠くない事だろう。
管理人が初めて雛の姿を見たのは5月26日の事。
母親がエサを与えようとすると、小さな白い頭がヒョコッと巣の上に出てきた。
小さな体ながら、食欲は旺盛で上手くえさが口に入って食べられるまで何度も何度も母親にエサをせがんだ。
母親は雛の口にちょうど合うサイズになるよう何度も雛が満足するまで肉片を小さくちぎって与えつづけた。
1羽の雛は確実にいる事が分かったが、巣の陰になって見えない他の雛にも母親がエサを与えている。
その様子から、雛は2羽以上いるようだ。
2羽見えた、5月30日
3日後雛は2羽いる事がわかった。
たった3日が経過しただけで、雛のサイズは一回り以上大きくなった。
雛の成長は、驚くほどに早い。
6月1日、3羽の雛の姿を確認できた
そして6月1日、3羽の雛の姿を同時に見る事が出来た。
5月27日から5日が経過、雛のサイズは倍以上に大きくなっているようだ。
必要なエサの量も雛の成長に応じて日に日に多くなっていく、狩りをする父親、これから休む暇も無く狩りをしなければならなくなっていくだろう。
おとうさん大変だ。
お腹を空かせた雛のため、妻のため、がんばるお父さん、6月1日
父親は狩りをするだけでなく、羽をむしり食べやすくなるよう料理もこなす。
巣の近くに解体した羽や、肉片が落ちたりしないよう巣から離れた調理場で料理してからエサを持ってきてくれる。
巣の中、そして巣の周辺は少しでも清潔に保つよう、汚れないように心がけているようだ。
ヘビ、カラス、ダニ、病気等等、はたまたカラスやら他の邪魔者が雛に近づかないようにと、繁殖を成功させるために多くの知恵が生かされているのだろう。
雛に、そして妻に少しでも速くエサが与えられればと、父親は解体した獲物の羽毛がくちばしの下にくっつけたまま飛んできた。捕まえたのはムクドリだろうか?
きれい好きで見てくれを非常に気にするオスのオオタカ、少しでも早く雛たちに餌が与えられればと、急いでやってきたという事がうかがえる。
肉食獣、猛禽類が生きていくため、繁殖を成功させるためには、多くの命の上に成り立っている。
雛が成長するためにも、多くの犠牲となる獲物が必要だ。
命を失った生き物の体は、オオタカの体の一部となり生きていく事となる。
エサを運んできた父親は巣が間近に迫ると、うれしさを隠せず妻と鳴き交わした。
雛がすくすく全員無事に育っていて、えさも豊富に捕まえられている現状、父親はうれしくたまらない事だろう。
雛がまだ小さいこの時期は巣からちょっと離れた場所で母親はエサを受け取る。
雛がお腹を空かせていれば、すぐに雛にエサを与えるが、お腹がいっぱいであるようであれば貯食にまわす。
カラスなどに見つからないよう、上手く隠しているようだ。
また、当然の事ながら母親もエサを食べなければならない。
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つづく
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