「都会に進出した猛禽、オオタカの物語」
このブログでは、2017年7月から2018年12月までの間、都会の公園の中、管理人の目の前で繰り広げられた野生のドラマ、オオタカの生き様を紹介しています。
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去年、オオタカが営巣をしている事を知ってから、たった1週間ばかり対面したオオタカの幼鳥。
その間ほぼ毎日、「今日はどんな行動が見られるだろうか?」と期待に胸を膨らませて公園に足を運んだ。
観察を開始してから数回、親鳥が幼鳥に餌を運んできたのを見たのだが、それ以来ほとんど餌を運んでこない。
待てど待てど帰ってこない親鳥、始めのうちお腹を空かせた幼鳥は、セミなどの昆虫を捕まえ腹ごしらえしていた。
セミだけではお腹が膨れるはずもなく、「ピーーぃょ・・ピーーょ!(おなか空いたよー!)」と、叫び続けるが、答えてくれる親鳥の姿は見当たらない。
そして、再びセミを捕まえる。
去年2017年8月、巣立ったばかりのオオタカの獲物はセミばかり。
昆虫ばかりではお腹は空いたまま、でも視線の先には「セミ」。早く大きな獲物を捕らえられるようにならなくては。
幼鳥は、日が経つにつれ、巣立った巣のある公園を離れるようになっていった。
餌を求めてか、親を求めてか、それとも仲間を求めてだろうか?
最初のうちは日帰りで帰っていた幼鳥の外出は、日が経つにつれ長くなり、巣立った公園にはほとんど戻らなくなってしまった。
親鳥が少しずつ餌を運んでくる頻度が下がっていったのは、きっと幼鳥に自立を促すためでもあったのだろう。
そうでもしなければいつまで経っても甘えてばかり。
独り立ちする事が出来なくなってしまう。
親鳥を含め、幼鳥はどこに行ってしまったのだろう?
ひょっとしたら再び幼鳥や親鳥が帰ってくるんじゃないかと公園に通うが、結局見られずじまい。
公園からそう離れていない場所での目撃証言があるので、そうそう遠くには行っていないようではある。
2ヶ月ぶりに見るオオタカ、きっと親子だろう。
それから2ヵ月後のある日、あの森に、親鳥と幼鳥が一緒に現われた。
きっとここで巣立った幼鳥とその親鳥なのだろう。
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つづく
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