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Photographer Takashi Iwamoto Blog

ブログ | アフリカ フォトグラファー 岩本貴志|ドキュメンタリー ビデオ / 写真 撮影

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執筆者の写真岩本貴志

「都会のオオタカ、繁殖の記録」20、母鳥の狩り

更新日:2023年2月21日

「都会に進出した猛禽、オオタカの物語」


このブログでは、2017年7月から2018年12月までの間、都会の公園の中、管理人の目の前で繰り広げられた野生のドラマ、オオタカの生き様を紹介しています。


木の梢から獲物を待ち構える母鳥、6月14日



雛たちが小さく真っ白だった頃には巣からほとんど離れる事の無かった母鳥ですが、雛たちの成長とともに外出する事が多くなってきました。


雛たちが外敵に襲われる心配も少なくなったのでしょう。

母鳥の外出にもちゃんと理由があったようです。


今回はその様子についてとりあげます。

 


雛たちが成長し大きくなってくると、カラスなどの外敵に襲われる心配は少なくなってきた。


でも、今度は食欲を増した雛たちを賄うための食べ物の心配が出てきた。



雛たちは成長とともに食欲も増している、巣立ちを控えた雛たちの食事の量は親鳥と同等もしくはそれ以上必要になってくる。


3羽の雛と母鳥、そして狩りをするオス親の合計5羽、その全ての食事をオス親1羽で賄うのはなかなか大変。

巣の周辺に隠してあった貯食もすぐに底をつくようになり、母鳥自身も獲物を狩らなければならない事を十分承知しているようだ。



母鳥は巣からよく外出し、あまり巣に戻らなくなった。

外出といっても、オスのようにどこか遠くにいくわけでもなく、巣の周囲。

カラスなどが襲撃に来ても、すぐに助けに行ける場所である。

母鳥は、巣のある森の木の梢に登り、そこから獲物を待ち構えるようになった。

ターゲットは、オオタカの存在に気づいていない油断している獲物のように見える。


母鳥の外出の理由は、雛たち、そして自らの食事のために獲物を捕らえようとしているようだ。

オス親は巣の周辺ではあまり狩りをしていないので、公園近辺には油断をしているハト等が時々やって来る。

オス親よりも一回り大きな母鳥、小回りは効かずとも一撃はオスよりも強烈だろう。



ターゲットの獲物が絞られたら、その高さを利用して一直線に滑空、加速、獲物に背後から迫り一撃を食らわす。

今回仕留められたのは、ドバト。

ハトでもオオタカの強力な一撃を食らったら一巻の終わりである。

雛たちに目をやり「獲物捕まえたからね、すぐ持っていくから待ってて!」

さすがはオオタカ、狩りの名手、子育て中で鈍っている体にもかかわらず、ドバトを仕留めた。

程よい料理場所、太めの枝が横たわった場所に獲物を運び込んだ母鳥。

早速、雛たちが食べやすいよう、解体作業を始めた。


巣からそう離れていない場所、母鳥は解体前、雛たちに一旦目をやり、「獲物捕まえたからね、すぐ持っていくから待ってて!」とでもいっているようだ。

獲物のドバトの体を足で押さえつけ、獲物の羽をくちばしで一本一本引き抜いていく。

全体の羽を抜くため時々獲物を回転させながらの作業だ。

さすがはオオタカ、何を行なうにも一心不乱、集中力がものすごい

作業中はとにかく一心不乱に作業を進める。

オス親が巣を作っている時もそうだったがその集中力はものすごい。

この集中力こそが、命がけで逃げ惑う獲物を捕らえながら生きてきたあかしなのだろう。


母鳥は30分弱かけて解体を終えた。

一旦見晴らしの効く場所に飛び移り巣の周囲、外敵がいないか確認

解体した獲物はまっすぐ巣に持ち帰る事無く、まずは一旦巣の周囲が見渡せる場所に移動。

外敵などが周囲にいない事を確認してから巣に獲物を運ぶ。


内心早く雛にエサを運びたくてうずうずしている事だろう。

多くの鳥や動物たち同様、繁殖中大事な子供達を守るためまっすぐ巣に行かず、こうやって回り道をして敵の目を欺こうとする。

「いたずらカラスもいないし大丈夫そうだ!」獲物を巣に運ぶ母鳥

ドバトも羽を引き抜くと、こんなに小さくなってしまった。

雛の巣立ちが近づ頃になると、このサイズの獲物が毎日何羽も必要になってくる。

この頃の雛たちは、まだお母さんから口移しで餌をもらっている小ささ。


この日、3羽の雛たちは、この獲物でお腹いっぱいになれるだろう。

そうすれば旦那の持ってきてくれる獲物が明日のために貯食にまわせる。





つづく


 

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