top of page

Photographer Takashi Iwamoto Blog

ブログ | アフリカ フォトグラファー 岩本貴志|ドキュメンタリー ビデオ / 写真 撮影

takashi iwamoto rogo whtie wide

「都会のオオタカ、繁殖の記録」21、初めての飛翔

更新日:2023年2月21日

「都会に進出した猛禽、オオタカの物語」


このブログでは、2017年7月から2018年12月までの間、都会の公園の中、管理人の目の前で繰り広げられた野生のドラマ、オオタカの生き様を紹介しています。



6月も終わりに近づくと、大きく成長した3羽の雛、巣の中にいる事はほとんど無くなりました。


雛たちは、いまにでも飛立ちそうです。


 


6月の終わりになると、白い羽はすっかりと抜け落ち、大きさも親鳥とさほど変わらない大きさに成長した3羽の幼鳥たち。

巣立ちの日、空に舞い上がる日もすぐ間近のようにみえる。

巣立ちといっても自ら狩りが出来るようになり、一人前になるためには、まだまだいろいろな事を学ばなければならないので、まだしばらく先の事。


それまでの間は、親鳥の狩った獲物が頼りだ。

巣の中にいる事があまり無くなり、巣の周辺を枝伝いに歩いて探検をするようになった3羽の幼鳥。

親鳥は、時々捕らえた獲物を巣に運んできてくれる。

以前のように口移しで餌を与える事はせず、羽をむしった獲物を巣に放り込み、すぐにどこかに行ってしまう。

運び込まれた獲物は兄弟順番に慣れない手つきで食べる。兄弟間の序列はしっかりと決まっているようで、1羽が独り占めして食べるという事もなく3羽が順番に食べているようだ。

獲物の量も十分あるようで、3羽のヒナたちに十分い行き渡っているのだろう。

3羽の兄弟のうち、1羽は他の2羽と比べるとちょっと大きく少しだけ色黒。

おそらくメスだと思うが、最初に孵ったのだろう。

という事で、今後このブログでは長女と呼ぶ事とする。


この長女がエサを食べている間は他の兄弟は、姉が食べ終わるのを黙って待つしかないようだ。


逆に長男が食べているところに姉が来ると、黙ってエサを渡す事になる。

大きく強い姉は、ますます逞しくなっていきそうだ。

他の2羽の兄弟を紹介すると、もう1羽はこの大きな姉にいつも付いて回っている妹、そして1羽の長男。

この長男は最も小さく色白でやせている。

不健康そうに聞こえるがそういうわけでは無く、いたって健康。

とにかく好奇心が旺盛。声は他の2羽と比べるとちょっと甲高い。

オオタカは成鳥もメスがオスよりも一回り大きく、オスのほうがメスよりも甲高い声で鳴く。


サイズと鳴き声から、管理人はこのちょっと小さめの幼鳥をオスだと見ている。

という事で、この子を長男、もう一羽を次女と呼ぶ事にする。

やはり男の子と女の子、遊んでいてもいつも独りぼっちになってしまう男の子。

というか興味がまるっきり違うようで、姉妹と一緒にいても面白くないようだ。ハチ等の昆虫が近寄ってくるとその動きをじっと眺め続ける、とにかく身の回りのものに興味を持ち、じっくりと観察する事が大好きな性格、理科系のようだ。


他の2羽は花より団子系かな?ハチが近寄って来ると「邪魔だなー!」と食べようとするか、追い払うか。あまり観察等はしない。

巣の周辺を枝伝いに探検、親鳥が獲物を持ってきてくれるのを心待ちにしている 6月30日



まだ空を飛べない雛たち。体的には既に空を飛ぶ準備は出来ていると思うが、心の準備はまだ出来ていないようだ。

兄弟みんな、もっと遠くに散歩に行きたいが。遠くに行ってしまうと、いつ何時帰って来るかわからない親鳥がエサを運んできた時、食べ損ねる危険もある。

という事で、何気に巣を気にしてあまり遠くには行かない、特に体の小さい長男はあまり巣から離れない。

とにかく、おねえちゃんが帰ってくる前にエサをいっぱい食べてやろうとたくらんでいるようだ。

それとは逆に、長女はいつでも兄弟からえさを奪えるからか気にせず、いつも他の2羽よりも遠くに散歩に出かける。

枝の上で羽ばたき、いつでも飛立つ準備は整っているようだ、残るは心の準備 7月3日

今にでも飛立ちそうな幼鳥。枝伝いに巣の周辺を探検し枝の上を歩くのもお手の物となった。

ただ単に散歩に出かけていたわけでなく、ちゃんと、バランス感覚を養い、足の筋肉を鍛えるという重要な意味も担っているようだ。

こうやって羽ばたきながら、頭の中ではお父さんやお母さんのように空を自由に舞い上がる、そんな事を考えながら羽ばたいているのだろう。

母鳥はしばらくぶりに水浴びした 7月3日



雛たちが3羽とも無事に成長し、空を飛ぶ準備が整ったのを見て一安心したのか、この日、母鳥はしばらくぶりに水浴びした。


さすがのオオタカでも羽を濡らすこの時がが最も無防備になってしまう危険な瞬間、母親にとっておそらく抱卵前にした水浴び以来の水浴びだろう。


そして次の日、いつもより早めの4時過ぎに公園に行ってみると

まだ暗い時間帯、幼鳥たちは空を舞っていた 7月4日

日の出る前のまだ暗い時間帯、幼鳥たちは既に新しい世界に飛び立っていた。

初めて見る飛翔であるが、なかなかさまになっている。


初めて止まる電線、なかなかバランスが取れない~

今まで止まった事の無い電線、木の枝のつもりで止まったのか、前に後ろにとスイングするので、バランスが取れない。

バランスを取ろうともがき続けるが、もがけばもがくほどバランスが崩れる。

バランスが取れないので飛立ちたくてもなかなか飛立てない!

こんな格好で2分近くももがきつづけた。

他の2羽も後を追う

広い世界に足を踏み出した3羽の幼鳥、これから独り立ちに向け一歩一歩、兄弟共に多くの事を学んでいく。





つづく




※管理人は3羽の雛の内2羽がメス、1羽がオスと見ていますが。管理人自身の観察と経験にもとづいた推測になります。

雛の成長の様子は動画 オオタカ、繁殖の記録 2018にもまとめていますので、そちらを見て頂けるとこれまでの経過が良く分かるかと思います。


 

前の記事

次の記事

Comentarios


takashi iwamoto rogo white wide
「このサイトはアフィリエイト広告(Amazonアソシエイト含む)を掲載しています。」
bottom of page