「都会に進出した猛禽、オオタカの物語」
このブログでは、2017年7月から2018年12月までの間、都会の公園の中、管理人の目の前で繰り広げられた野生のドラマ、オオタカの生き様を紹介しています。
いつも一緒の姉妹、そしていつもながら遅れてやってきた長男
このブログで何度か触れた3兄弟それぞれの性格と行動。
今回は、その性格について詳しく取り上げようと思います。
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無事に育っているオオタカの幼鳥3羽、管理人は2羽のメスと1羽のオスと見ている。
特に確証があるわけではないのだが、その行動、しぐさなど、微妙に違っている。
メスは回りの物事をあまり気にせず目的達成のためになんでも集中して行なうのに対して、オスは周辺の物事に対して非常に敏感、細かな事が結構気になって仕方が無い。
気になっているにもかかわらず、何かをつついたりして、気になっているしぐさを隠したりする。
その行動は、結構お茶目だ。
オオタカのオスとメス見かけは殆ど変わりないが、メスがオスよりも一回り大きく声が低いので、一緒にいれば割かし区別が付きやすい。
といってもよく混乱してしまうが。
いつもは一羽でいる長男、時々、姉妹たちと合流する。
こんな時はきっと、遊びつかれてお腹が空いた時なのだろう。
お父さんオオタカがエサを持って来るのを待ちきれず、というか餌が運ばれて来た時に、エサを取り損ねないように一緒にいるのだろう。
という事で簡単に、3羽の紹介
長女、いちばん大きな子
1羽目は長女、体も大きく、リーダー的な存在。何か初めての行動を切り開くのも大抵この子。残りの2羽は長女の行動を真似て後に続く。
空を飛ぶ前の巣の上ではエサはいつもこの子に優先権があった。
体が大きく迫力もあったので残りの2羽はいつも遠慮、というかエサはを食べていても長女に奪われてしまうので、長女がお腹がいっぱいになるのを待たなければならなかった。
たくさん食べて、兄弟よりも大きく逞しく育った。
もし、エサが十分無かったら、きっとこの子だけが生き残る事になったのだろう。
親鳥の懸命な狩りのおかげで、幸い3羽皆がたらふく食べられるだけのエサに恵まれみんな元気いっぱいに育つ事が出来た。
見かけも最も体が大きく、色も若干濃い茶色をしている。
次女、いつも長女についてまわる
2羽目は次女の紹介、気が合うのか行動はいつも長女と一緒。
同じメスだから、いろいろと趣味も合うのだろう。
よく姉と追いかけっこをする。
行動も長女の行動をよく真似る。
大きさは若干姉よりも小さく、色も若干薄茶色。
長男、昆虫の観察大好き
最後の一羽は男の子、お姉ちゃんたちとは一緒に遊んでいても楽しくないのか、1人で遊ぶ事が多い。
特に昆虫の観察が好きで、ハチやトンボ等の昆虫が近づいてくると、じっと眺め観察したりする。
雛の頃も、寄ってくるスズメバチなどじっくりと、飛び去っていくまで観察していた。
最も色白で、体は他の2羽より一回り小さくスリム。鳴き声もオスの特徴として若干甲高い。
下に、昆虫好きと分かる場面の3コマをご紹介
トンボが頭に近づいてきた
長男が木の梢で1羽でたたずんでいると、トンボが近づいてきた。
トンボを追い払う事無く、トンボを驚かさないようじっとしていると、トンボは頭のてっぺんに止まった。
トンボを脅かさないようにじっとする長男
トンボが頭に止まると、
トンボが驚かないように完全に固まった。
トンボはしばしの休憩を終え飛立った
トンボが飛立つまでの間ずっと、体を硬直させていた長男。
トンボが休憩を終えて飛立つと、長男は体の緊張を解きほぐした。
他の2羽の姉妹だったら、きっとトンボを食べようとしただろうし、頭にトンボが止まる事など無かっただろう。
止まったとしても嫌がって追い払ったと思う。
これは何だ?
昆虫以外にもいろんなものに興味があり、1人でいろいろ試しながら、いろんな事を日々学んでいく。
何にでも興味を持って一つ一つ試しながら知識を増やしていく長男。
いろいろなものに興味を持って試す、という事はより多くの物事をより速く学習する事にもつながる。
今まで体が小さく、体の大きな姉たちに対して遠慮しがちだった長男。
日々学びながら飛行の練習を積み重ねていくうちに、飛行能力は姉妹よりも高い事に気づいたようだ。
空を飛べば、姉妹よりも、より速く、より小回りが効き、より速く上昇出来る!
他の2羽よりも体が若干小さいのが飛ぶことに対しての有利になっているようだ。
長男が飛ぶ技術を向上させ、自信をつけてくると、空中では長女と長男で、形成が逆転するようになってきた。
今までは追い回されていた側が今度は追い回す側に。
長男、地上では姉にかなわないが、空を飛べば負けることは無いと分かってきたようだ。
体の小さな長男(左)は長女(右)に追いかけっこを挑んだが、姉は逃げ腰
空を飛べば負けてしまう事が分かっているので、乗り気でない姉に対し、追いかけっこしようとせがむ長男。
最も体の小さい長男、姉妹よりも上手に飛べるようになり、飛ぶことが楽しくて仕方がなくなってきたのだろう。
空では、体重の重い長女が最も劣勢となった。
長女は、ちょっと小さい次女にも追い回されるようになってきた。
空を飛ぶ猛禽、大きく重ければ強いというわけでない事が良く分かる。
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つづく
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