「都会に進出した猛禽、オオタカの物語」
このブログでは、2017年7月から2018年12月までの間、都会の公園の中、管理人の目の前で繰り広げられた野生のドラマ、オオタカの生き様を紹介しています。
今では獲物は空中で受け渡し
今回は最終段階に入った獲物の受け渡し方法についてご紹介します。
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これまで親鳥(父鳥)が持ってきてくれた獲物は、オオタカの森の木の枝に置かれていた。
それは雛がまだ小さく、巣にいた頃からずっと続いていた方法。
幼鳥たちが、まだ小さな雛で巣の中にいた頃は、オスによって木の枝に置かれた獲物は母鳥が取りにいって、巣へと運んでくれていた。
今、父鳥によって獲物が運ばれてくると、3羽の幼鳥たちは一目散に獲物が置かれた枝の元へと。
兄弟で我先にと獲物に頬張りつく。
そんな獲物の取り合いは、7月中を過ぎると熾烈を極めてきた。
父鳥も、最近餌を運んでくる頻度を少しずつ減らしてきているので、兄弟たちは最近皆お腹を空かしたまんま。
少なくなって来た獲物、我先にを得ようと、幼鳥たちは、獲物を持って逃げたり、隠したり。
3兄弟、それぞれ知恵を搾り出し、少しでも多くの餌を食べてやろうと工夫していた。
7月が終わりに近づいた頃、親鳥の幼鳥たちへの獲物の渡し方も変化した。
その様子を下に紹介する。
獲物を運ぶお父さんを、いち早く見つけた幼鳥
木の梢で兄弟とは別に、一羽でお父さんの帰りを見守っていた長女。
いちばん最初に、お父さんが帰ってくるのを見つけた!
大きな声で鳴いて、「お帰りなさい!獲物まってました!」
長女は「私が最初に見つけたから、私に獲物ちょうだい!」
お父さんに、直接餌をもらおうと、猛烈にアピール。
出遅れた兄弟の2羽もその後に続く。
獲物だぞー、誰が食べたい?おまえか!
親鳥は、必死にアピールしてくる長女に、餌を渡す事に決めたようだ。
幼鳥は一旦親鳥とすれ違い、後方下部に回りこんだ。
親鳥は上昇し減速、幼鳥が背後から近づいて行く
幼鳥は後方下部から上昇し、速度を落とした父鳥に背後から近づいて行く。
親鳥は上昇し速度を落とすと同時に、獲物を手放した。
親鳥は上昇しながら、獲物を手放した
獲物をほいと上方に放り投げる形。
手放された獲物は少しだけ空中をただよい、下で待ち構えていた長女はそれをしっかりと受け取った。
親鳥は子供がしっかりと餌をつかんだ事を確認し、川の下流のほうへとゆっくりと飛んでいく。
ありがとう!お父さんと、餌を受け取った幼鳥
餌を受け取った幼鳥は大きな声で、鳴いた。
「お父さん、ありがとう!」とでもいっているようだ。
後ろからは迫る兄弟たち!
長女は、お父さんの飛んでいく、川の下流のほうへまっしぐら。
猛スピードでお父さんを追い越した。
せっかく受け取った獲物、兄弟に取られてしまってはたまらない!
2羽の兄弟はその後を追っていく。
獲物を持ったおねえちゃんを見失った
確かこっちのほうなんだけど、どこだろう?
長女は、下流側の森の中に消えた。
きっと、どこか葉の生い茂った場所で、隠れて餌を食べているのだろう。
追っていった2羽は、お姉ちゃんを見失ってしまったようだ。
一旦、お姉ちゃんの消えた茂みの近くの川原へ降りた。
あきらめて塒へ帰る幼鳥
兄弟はしばらく様子をうかがっていたが、あきらめ、ねぐらへと帰っていった。
ねぐらへの帰り際も、兄弟が隠れていると思われる森を気にかけながら。
事の一部始終をすぐ近くの電線の上には、お父さんオオタカは見守っていた。
お父さんオオタカ、何か一仕事終えたかのようだ
オオタカのお父さんは、子供達の獲物をめぐってのやり取りを、電線の上からじっくりと眺めていた。
何か一仕事終えたような安堵感を漂わせている。
きっと、立派に成長している子供達を見て、「やりとげた!」「そろそろ、手を離しても大丈夫そうだ!」とでも思っているように見える。
管理人は、この日を最後に親鳥が獲物を幼鳥に渡すところは見ていない。
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つづく
これは7月30日の出来事
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