「都会に進出した猛禽、オオタカの物語」
このブログでは、2017年7月から2018年12月までの間、都会の公園の中、管理人の目の前で繰り広げられた野生のドラマ、オオタカの生き様を紹介しています。
自信に満ちた羽ばたきを見せるようになった幼鳥
■
初めての飛翔から、ほぼ1ヶ月が経過した。
今は8月の上旬。
先月初め、巣立ちしたばかりのころは飛ぶのがやっとだった3羽の幼鳥、今では自信に満ち溢れた飛翔の姿を見せてくれるようになった。
父鳥も、子供達が十分に育って安心したからなのか、最近では殆ど獲物を持ってきてくれない。
父鳥も、子供達が十分逞しく育ったと見たのだろう。
子供達自ら狩りに挑戦をさせ、更にはこのオオタカの森から出て、もっともっと広い世界に向けて羽ばたくよう仕向けているようだ。
3羽の子供達、今では自信に満ちて、何も怖いものは無さそうだ。
姉妹は今でもよく一緒にいる
3兄弟、餌をめぐって争う以外はいつも仲良し。
特に、2羽の姉妹は8月に入っても一緒にいる事が多い。
餌をめぐっての争いといっても、お互いに危害を与えたりする事は無かった。
大きな声を上げて、「獲物をよこしな!」とわめいたり、近くを横切って大声で脅したりと、その程度。
今では殆どその姿を見せなくなった父鳥。
父鳥が、この周辺に殆ど現れなくなってくると。
今度はカラスが、群れでやってくるようになった。
カラスはこのオオタカの父鳥を、ものすごく恐れているようだ。
以前に、こっぴどくやられた記憶があるのだろう。
その父鳥が今、オオタカの森にはほとんど戻ってこない。
飛翔能力ではオオタカよりもずっと劣るカラス、
1羽であれば幼鳥でも簡単に追い払えるカラスだ。
そのカラスが、最近は群れでやってくるようになった。
大勢でやってこられては、飛翔能力で優位なオオタカもたまったものではない。
アンテナにとまって、父鳥を待っていると、カラスに囲まれてしまった
待てども待てども帰って来ない父鳥。
「どこに行ってしまったのだろう?」
僕たち、ものすごくお腹が空いているのに。
カラスがたくさん近寄ってきて、アンテナの上にはいられなくなってしまった。
最初、カラスが追いかけっこしようと遊びに来たと思っていた幼鳥。
一緒に追いかけっこ遊びをしても飛ぶのが遅くて相手にならないカラス、黙って見ていると、2羽、そして3羽と、だんだん数が増えてきた。
今回、カラスたちの様子は違う、どうも、僕らの事をこの場所から追い出そうとやって来たようだ。
「僕ら、そんなに嫌われているの?」
体は逞しく育っても、まだ社会に出た事のない幼鳥たち。
彼ら自身(オオタカ)が周りの鳥たちから、どう思われているかなど知るすべも無い。
3年前、この場所は数世帯のカラスが繁殖していたカラスの森、カラスの楽園だったのだ。
カラスたちは、いつでもそんなカラスの森が再び戻る事を夢見ているはずだ。
うるさいカラスから離れ、兄弟じゃれあう
そんな事を梅雨知らず、じゃれあう兄弟。
それにしても、「お父さん帰ってこないな!」
狩りの挑戦はしても、まだまだへたくそ、獲物はなかなか捕まえられない。
まだ、お父さんに獲物を持ってきてもらわないとやってられないのに。
そのお父さんは、最近ほとんど帰って来てくれない。
長男、は相変わらず1人で森周辺を飛び回る、
長男は大抵1人でいる事が多い。
ただ1人ぶらっとしているわけでなく、何でも深い興味を持ち、じっくりと観察。
通りをいく人、川上を飛んでいく野鳥たち、昆虫たち。
近い将来、立派な狩人となるため、立派な父となるための勉強を独学で進めているようだ。
でも、まだ狩りが出来るわけではなく、お腹が空いているのは姉妹と一緒。
待っているだけではらちが明かないと思ってか、幼鳥のほうからお父さんがどこに出かけたのか探しにいくようになって来たようだ。
オオタカの森を離れ、どこかへ出かける様になって来た幼鳥たち。
でも、夕方には帰ってくるのでそんなに遠くへは行っていないようだ。
夕方、オオタカの森に帰ってきた時、そんなにお腹が空いていないようにも見える。
もしかしたら出先で出会ったお父さんに、獲物をもらっているのかもしれない。
だとすると、オオタカのお父さんは子供達に外の世界を教えようとしているかな?
夜、寝るために森に戻ってはくるが、3兄弟が森から出て行く日も直ぐそこに迫っているようだ。
■
つづく
2018年8月7日の出来事
前の記事
次の記事
Kommentarer