「都会に進出した猛禽、オオタカの物語」
このブログでは、2017年7月から2018年12月までの間、都会の公園の中、管理人の目の前で繰り広げられた野生のドラマ、オオタカの生き様を紹介しています。
お父さん、久しぶり!
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10月に入ると、オオタカが森に頻繁にやってくるようになった。
最初に帰って来るようになったのは、お父さんオオタカ。
去年と同様、来年の繁殖場所の確保のためなのだろう。
最初のうちは、様子見だろう。
パートナーが帰っていないかも、確認しようとしている様だ。
繁殖は、相手がいなくては出来ない。
この時期、サンコウチョウや、キビタキなどの夏鳥が姿を見せるようになった。
そんな小さな夏鳥たちはしばらく、この地に滞在した後、南の地へと旅立っていった。
それと入れ替えに冬鳥の姿も、ちらほら見られる様になって来た。
10月も終わりになると、朝の冷え込みが厳しくなり、季節が変わった事を強く感じる。
そんな10月の後半、日の出たばかりの早朝、久しぶりにオオタカの幼鳥の姿を目にした。
目に出来たのは1羽だけ、どうもメスのようだ。
長女だろうか?
単独だとなかなか識別するのが難しい。
幼鳥は父鳥にあいさつでもしようとしたのか、空中で父の元へと近づこうとした。(下写真)
それに応じて、父鳥も子供のもとへ近づいていく。
「ひさしぶり!」
「どうしてた?」
とかいっているようだ。
きっとオオタカのあいさつなのだろう。
空中で止まっている事も出来ないので、父は子を追いかけ始めた。
といっても、相手に攻撃を仕掛けるという風ではなく、一緒に飛ぶ感じ。
幼鳥は追いかけてくる、父鳥に一瞬びっくり。
逃げる形となり、上空を、しばらく一緒に舞った。
上空を舞う親子
後ろにいるのが父、前を飛ぶのが子供だ。
子供のほうが父よりもずっと大きく見える。
この大きさの差、幼鳥は長女のようだ。
もしくは別の個体?
立派になった幼鳥、母鳥より大きく見える
それにしても立派に育ったものだ。
羽にダメージを受ける事も無く、空の王者として訓示しているようだ。
母鳥よりもさらに大きく見える。
自ら狩りも出来るようになり、立派に自立して生きているのだろう。
帰って来ない幼鳥たちはどこか、新天地を見つけたのだろうか?
どこかで、立派に生きていてほしいものだ。
一緒にいてもお互い話す事が無く無言だ
しばらく飛んだ後、森の木の枝に少しの距離を置いて、2羽で一緒に止まった。
お互いに視線は相手の姿を凝視、すごく緊張しているようだ。
枝に止まったのもつかの間、すぐに一緒に飛び始めた。
特に話す事は無かったらしい。
そして、今度は追いかけっこ。
幼鳥がオニとなり、父鳥が逃げる!
空中でじゃれあう親子
どうやらオニだった幼鳥は、逃げる父鳥を捕まえたようだ。
オニごっこ終わり!
空中でじゃれあったのち、2羽とも空高く舞い上がり、遠くへと飛び去った。
これから数日の間、幼鳥はオオタカの森で過ごす事となった。
きっとオス親は、相方が来るまでの、つかの間、娘を追い出す必要も無く、一緒に過ごしたのだろう。
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つづく
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