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Photographer Takashi Iwamoto Blog

ブログ | アフリカ フォトグラファー 岩本貴志|ドキュメンタリー ビデオ / 写真 撮影

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執筆者の写真岩本貴志

「都会のオオタカ、繁殖の記録」4、メスによる巣の下見

更新日:2023年2月20日

このブログでは、2017年7月から2018年12月までの間、都会の公園の中、管理人の目の前で繰り広げられた野生のドラマ、オオタカの生き様を紹介しています。


オオタカ、カラスを追い出し巣の下見

この巣がいちばんしっかりしているけど、この木の葉っぱ冬になったら落ちてまるみえじゃん。ダメだここは!


 


幼鳥を追い出そうとしている親鳥(母親)は、公園の森の中のをあちこち徘徊。

どうやら巣の下見、どれももともとカラスが作って繁殖に使った巣。

以前はカラスの楽園だったこの公園にある森。


去年繁殖に成功したのも、カラスとオオタカが何度も格闘をして、オオタカがこの場所の主になれたから。


追い出されたカラスにとってはたまったものではないだろう。


カラスたちも完全にこの場所をあきらめたわけではなく、時々オオタカに格闘を挑む。

時にはオオタカが劣勢になる事もあるが、オオタカのほうが飛行能力も高くいうえ、武器としての鋭い爪とくちばしをもっている。

カラスもやられるとただではすまない。


それを知ってかオオタカに追いかけられるとカラスの腰が引けてしまう。

オオタカがやってくるまでは好き放題にやっていたカラスも、いまでは肩身が狭くなってしまった。


いつもカラスにいじめられていた小鳥たち、「何だよ、カラスのやつもっと強いかと思ってたのに、大した事ないな!」

カラスがしっかりしないから、仲間がオオタカにやられるじゃないか!もっとしっかりして、オオタカを追い出してくれよ。」と、陰口をたたいているだろう。

カラスの作った巣には素材としてハンガーが多く使われている。

どこか近所の洗濯物干し竿にかかっているハンガーを拝借してきたものだろう。

素材はプラスチック製の物はなく金属製ののものばかり。

細くしなやかで頑丈、木の枝などが上手く引っかかり、巣材にはもってこいなのだろう。

どっかのカラスが始めたのを、カラス同士、仲間うちで真似するようになったのだろう。

カラス君は、もしかしたら青が好きなのかもしれない。

青いハンガーが多いようにみえる。


オオタカはカラスの巣に乗っかって、いろいろと確認しているようだ。

オオタカの頭の中では、将来自分の産むであろう卵、そして成長していく雛、旦那が持ってきてくれた餌の受け取り場、貯食場。


そして、カラスが攻撃を仕掛けてきたときの撃退方法など、繁殖のためのいろんな事が頭の中でシュミレーションされているのだろう。



メスのオオタカは、しばらく巣をまさぐってから、別の場所へと移動した。

オオタカ、枝のさきっちょで

バランスが取れない!」ちょっと太り始めたオオタカには足場が小さすぎた。

巣を飛立った、オオタカは先の細い木の枝の先に止まった。

四方を見渡せそうだからここに来たようだが、木の枝に乗っかったはいいが、先が細すぎる。

「バランスが~!」


羽をばたつかせながらバランスを取るためか、はたまた四方を見渡すためか360度一回り。

その間に、どこに巣があるか見渡したのかな?

どうにもバランスが悪いのですぐに飛び立った。

オオタカ、巣の下見_2

「この巣は、ちょっと低くて地面に近すぎるなー。」



飛び立った先にはまたまた別のカラスの巣。

一瞬のうちにちゃんと見渡していたようだ。


バランスの悪い木の枝から、まっすぐこの巣に飛んでいった。

その後何日もかけて、下見をした末、巣はこれらの巣にはせず、別の場所を選んだ。

営巣場所を選ぶオオタカ、あたかも僕らが、キャンプ地でテントの設営場所を探しているようにも見えるが、その重要性は比にならない、オオタカにとっては将来の命のかかわる大問題。




何日もかけて納得のいく場所をじっくりと探す理由は明白、命をつなげるための重要な使命の一つだ。




つづく

 

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