「都会に進出した猛禽、オオタカの物語」
このブログでは、2017年7月から2018年12月までの間、都会の公園の中、管理人の目の前で繰り広げられた野生のドラマ、オオタカの生き様を紹介しています。
この記事を書く一年以上前の事、オオタカの繁殖の支度について、「都会のオオタカ、繁殖の記録」4という記事の続きを当時を思い出しながら書こうと思います。
■
11月の末、公園にメスのオオタカが戻ってきた。
メスは、しばらくの間、次回の繁殖のための巣の場所選びをしているようだった。
主に、探す時間帯は早朝。
森の中のカラスが昔使っていた巣を一つ一つ確認していく。
「どの場所がいちばんいいかな?」
最終的には去年繁殖に使用した巣に決めたようだ。
巣の場所選定には一から何も無い場所に巣を作るのではなく、カラスなどが以前にこしらえ使っていた巣を再び使うようだ。
土台が既に出来ているので、巣を完成させる労力が圧倒的に少なく済み、経済的だ。
オオタカがどこで寝ているかは分からなかったが、早朝から見られるので、公園のどこかで寝ているようだ。
やはり、今シーズンも去年と同じこの公園で繁殖するようだ。
メスが公園に現われるようになってから、しばらくの間メスは1羽だけでおり、オスの姿は見られなかった。
こっちから見れないだけで、オオタカのメスはたまに木の上から遠くに向かって鳴いていたので、遠くのオスとコミュニケーションをとっていたようにみえる。
オス、メスお互い接近するようになってきた
11月の末になると、オスも公園に現われるようになり、オス、メスの鳴きかわしも近くで頻繁に行われるようになった。
おそらくペアリングも確定なのだろう。
このオオタカのカップル、公園の地理など既に知っていたり人慣れもしているようなので、去年繁殖したのと同じペアなのだろう。
空を飛びながらメスはやってきたオスになにか伝えようとしているようだ。
「巣は去年と同じのあの場所に決めようと思うけど、去年よりもいい巣お願いするわ!」とでも言っているのだろうか。
時期は11月末、巣を作り始めるのにはちと早い様に感じるが、早いうちに決められる事は決めておいたほうがお互い安心なのだろう。
この巣けっこうお気に入りなんだけれど
上の写真は、選ばれなかった巣であるがメスはけっこう気になっていたようである。
でも、「大きく育つ雛の事、それも1羽だけでなく2羽3羽、風雨を凌ぐ事、カラスからの撃退に備える事、貯食の場所等など考えるとちょっと無理だなー!」
でも気になっているようで、時々様子をうかがいに行くのであった。
「これは俺の巣だ!」とカラス
オオタカが公園から出て行くと、カラスが巣の様子を伺いにやってきた。
過去を偲んでか、次シーズンの巣場所の選定か?
カラス、「オオタカが近くにいては来年もここで繁殖するのは無理だなー」と思っているようでもある。
紅葉とオオタカ
日に日に、日も短くなり、寒さも増していくなか、メスは繁殖に備えて食に勤しみ日に日に体に脂肪を蓄えていくのであった。
この年は急激に冷え込むようになり、紅葉する前に落葉してしまう感じであった。
■
つづく
前の記事
次の記事
Comments