このブログでは2017年、井の頭公園のカイツブリの繁殖、子育て奮闘の様子を、写真と共に紹介しています。
今年6月29日、親鳥を囲んで元気に育ちつうある4羽のカイツブリの雛
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アフリカから日本に帰国
現在単身帰国中、半年ぶりの日本、東京。
筆者は普段、アフリカ、ナイロビにをベースに撮影活動を行なっている。
久々のブログ更新。
夏に日本に帰るのはしばらくぶり、暑さの本番はまだこれからだというのに体は暑さで悲鳴を上げている。2017年6月の事だ。
体がどこまでこの暑さに順応するか、うちわ片手に暑さを堪能している。
アフリカは暑い!と思っている人は多いけれど、ケニヤのナイロビは赤道にも程近く標高も1700メートルと高地なので、東京のように暑くなることは無く、年中涼しく快適。
海から500キロ離れているので空気はカラッとしていてさわやかだ。
さらに7月は1年のうち最も寒い時期、寒いといっても大した事は無く薄めの長袖をちょっと羽織ればすむ程度。
ナイロビに関して言えば一年中暖房も冷房も必要ないほど気候には恵まれている。
カメラがなければただのおっさん
一通りの撮影は出来るようにと、日本に帰る際は、必ず最低限の撮影機材は持ち帰っている。
自分からカメラを取り上げられたら、ただのおっさんである。
カメラマンとうたっているからにはカメラは自分の体の一部とでもいおうか、切り離せない存在だ。逆にカメラを持っていれば誰でもカメラマンともいえるな~。
なにはともあれ、なるべくただのおっさんにならないようにカメラを持ち歩くように心がけている。
カイツブリとの出会い
そんなこんなで、水辺に行けば暑さがしのげるだろうと、家から程近い東京、井の頭公園に行ってみた。
そんな井の頭公園の池で、子育て真っ最中のカイツブリを見つけた。
雛は4羽、生後1週間ほど、もともと6羽の雛がいたそうだが、何らかの理由で2羽は死んでしまったそうだ。
残りの4羽が無事に育ってくれる事を祈りつつ、場所も都合良いので、子育ての様子を観察、撮影していく事にした。
親鳥の一羽は忙しく雛たちにえさを捕まえては与え、もう一羽の親は雛たちの周辺で外敵を警戒している様子。
お父さんはつらいよ!誰もお父さんと呼んでくれない
どちらが母親だろうか?勝手に雛に寄り添っているほうをなんとなく母親と思ってはいるが、雌雄同体なので、実際どうなのか分からない。
(その後長く観察を続けていると、オスメスの違いが分かってきた。メスはふくよかで色が若干薄く、オスは体が引き締まり色が濃いめ。さらに性格はといえば、メスはヒナの前ではじっと動じないのに対して、オスはきょろきょろ周りが気になって落ち着かない、など、その他もろもろ、、、)
通り行く人たちは皆そろって「お母さん!」と呼んでいて、誰一人「お父さん!」と呼ぶ人はいない。
ま、お母さんと呼ばれているほうが雌ということで、いいかな。
忙しく雛に餌を運ぶ親鳥
かいぼりによって蘇った井の頭公園の池
一昔前と比べると井の頭公園の池の水の透明度は驚くほどに良くなっていた。
池の水抜きと底の日干しを行う、「かいぼり」の効果だろう。
さすがに深いところまでは見えないけれど、水中を潜っていくカイツブリを見届けられるほどの透明度。一昔前は水面しか見えないような濁った茶色い水だったのに対し、大きな変化だ。
そして、今年(2017年)もかいぼりをやるそうだ。
10年後の井の頭公園がどうなっているか楽しみだ。
いろんな生物が戻ってきてくれるといいな。
この透明度は食べられる側の魚に有利なのか?それとも捕まえる鳥のほうに有利なのだろうか?魚にとっても敵を素早く見つけられて物陰に隠れられるというメリットもあるだろうけれど、最終的には視覚メインで獲物を捕まえる鳥のほうに有利になるだろうと思われる。
魚も、習性など変えながらうまく適応していく事だろう。
変化が止まる事の無い野性の世界、やるほうもやられるほうも常にいたちごっこだ。
捕食者は、餌になる相手があってこそ、餌が無ければ捕食者は存在できない。逆にも捕食者がいなければ、その種は増えられるだけ増えていくが、自ら招く環境悪化などで限界が発生し適当なところで数を落ち着いていく。
そこに人間が複雑にかかわった上に、現在の生態系は成り立っている。
カイツブリってどんな鳥?
カイツブリは東アフリカの淡水湖や湿地帯やちょっとした池でもごく普通に年中見られる鳥だ。
さして珍しい鳥ではなく、世界中けっこう広い地域に分布している。
タンザニアの国立公園の中で、100羽ほどの大きな群れを見た事もあるけど、それは特殊な例。
大抵はつがいとその子供たちのように家族単位で暮らしている。
繁殖期は、非常に縄張り意識が強く、体の二回りも大きな鵜でさえも追い払ってしまうほど。
同じカイツブリ同士でも、お隣さんとは常に縄張りをめぐっての喧嘩が耐えない。
水かきのついた大きな足
大きな水かきのある足は体の一番後ろに付いて、泳ぐのし非常に特化している。
という事で、歩くのは非常に苦手。
水中では効率よく強力な推進力を発生させ、見ていて驚くほど速く、素早く方向を変えながら自由自在に泳ぐ事が出来き、逃げまどう魚を効率よくつかまえる。
潜水は、だいたい20秒ほど潜る事が出来るようだ。
水中での特化は裏を返せば退化で、地上で歩く事はとても苦手。
地上ではまともに歩く事も出来ないほどなので、外敵に対して手も足も出ない。
カイツブリの水中を泳ぐ姿は、井の頭公園内の水生物園で見る事が出来る。
あまり飛ぶ姿は見せないが、ちゃんと飛べる
空は飛べるの?と思う程飛ぶ所を見ない
今までいなかったカイツブリがある日突然、池に現れたりするので、知らぬ間に長距離も飛んでいるようだ。
飛翔能力は見かけによらず高いのだろう。
水面より水中のほうが楽に速く移動出来るようで、ちょっとした移動でもちょくちょく潜水して移動する。
水中を移動する事によって餌となる魚やえびに遭遇出来るチャンスも狙っているのだろう。また、外敵に巣のありかを、気が付かれないための方策でもあるのだろう。
水中でも水面でも、その運動性の高さから、体の大きな鵜でさえもカイツブリには手を出さない。
水面でも外敵を追い払う時などもものすごい勢いで泳ぐ事が出来る。泳ぐというか水面を走るといったほうが妥当かもしれない。
頭を下げて猛スピードで敵に突進するカイツブリ
空を飛ぶのにも水面を長距離滑走して加速する必要があるので、空を飛ぶ以外水面から離れる事の出来ない鳥だ。
水のある場所に特化したカイツブリ、巣に近づく外敵、二回りも大きな鵜に対しても、ヘビに対しても果敢に攻撃を仕掛けるほど。
カイツブリの子育ては水面に浮き巣を作って行う
繁殖、子育ては、水面に巣を作って行なう。
巣は、水面に垂れ下がる木の枝などに、材料を絡ませて流されないようにして作られる。
浮き巣といわれる巣。
ここ井の頭公園では、巣材には水草や落ち葉、捨てられたビニール袋などを使っていた。
今回観察したカイツブリの家族、その後この巣によってとんだ災いが降りかかる事になってしまった。
何が起こったかは、次回のブログ紹介する。
最近まで収まってたのに、親鳥の背中に乗り切れなくなったい4羽のヒナ
「よろしく!」
翌年の秋まで、カイツブリの子育ての様子を観察、ブログに書きました。
公園の池で手軽に見られる水鳥、カイツブリの生態、ご覧ください。
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つづく
このカイツブリの子育ての様子は動画 カイツブリの子育て、第二章「ヒナに待ち受ける試練」 にまとめました。気になる方は是非クリックして見てみてください。
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