このブログは2018年に井の頭公園で繁殖したカイツブリの繁殖、子育て奮闘の様子を紹介しています。
前年、観察を続けていたヒナたちは全滅。今年こそヒナが立派に成長するまでの一部始終が見てやろう!と、書き始めたのがこのブログです。
しっかりした巣を作るには土台が肝心、力いっぱい「よっこらしょ!」、パートナーはその間一休み 4月29日
前回、井の頭公園で今年初めてのカイツブリの産卵について取り上げました。
今回はちょっと日を遡って産卵前の様子について取り上げます。
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ひょうたん橋近くを縄張りにしている一組のカイツブリ夫婦。
巣を作る場所を決定してからは、夫婦2羽で協力しながら巣を作り始めた。
あんまり休んでいると、「こら、働け!」と怒られる。
巣材をくわえて巣に置くかと思いきや、休んで働かないパートナーに対して投げつけた。
「そんなに休んでばかりいないで、手伝ってよ!」とでも言っている様だ。
おそらくあまり働いていないのはメスで、おなかの中で卵を産む準備が進んでいるからだと思われる。
そんなメスも、一休みした後巣作りにパートナーと共に励むのであった。
そのうちの一羽は、巣を作り進めているにもかかわらず、暇が出来ると、とある気になる場所に行って、パートナーに訴えるのであった。
そこは、昨年カイツブリが巣を作った場所。
その場所が気になっているのはオスだと思うので、オスという事にする。
「ここにしよう!」と鳴いたり、へんな泳ぎをしてパートナーを呼ぶけれど、完全に無視された 4月26日
羽と足を「バシャバシャ!」とばたつかせ、「ここにしよう!」とパートナーに主張する姿が面白い。
オスは、そちらのほうが相当気になっていたようで、「巣を作るのはこっちにしよう!」と
鳴いたり、バシャバシャ音を立てて主張するのだが、パートナーにはほとんど無視された。
仕方なく、パートナーの元へと戻り、作り進めている巣の補強作業に励むのであった。
営巣場所を選ぶ主導権がメスにあると感じてしまうのは、管理人だけだろうか?
カイツブリの営巣場所の選定にはカップル両方の合意が必要なようで、片方が気に入っても、もう片方が気に入らなければ、知らん顔でどこかに行ってしまう。
両方の合意といっても、なにかしら、オスはメスに従うしかないように見える。
繁殖に関しての主導権はメスにあるのだろう、卵を産まないオスは、従うしか無さそうだ。
卵やヒナは常に外敵に狙われているので、営巣場所の選定は慎重にしなくてはならない。
外敵に襲われなくても、巣の崩壊すればヒナたちは命の危険にさらされる。
風雨や、水位の変動にも対応、外敵が近づきにくいなどなど、細かな事まで考えて選ばなければならない。
巣を作る場所一つで、子育てが成功するか否か大きく左右される。
好みの場所は夫婦それぞれ違うようだが、その違いは、夫婦それぞれが生まれ育った巣、そして、上手く子育てが出来た巣など。
ここまで成長するまで、数々の危機を乗り越え生き延びてきた経験や勘に基づくのだろう。
5月8日現在、2つがいが既に抱卵を始めている井の頭公園。
まだ巣を作る場所の選定が出来ていないつがいが2組いる。
パートナーそれぞれ意見が合わず、それぞれ別の場所がお気に入りのようで、お互いの合意が得られないようだ。
お気に入りの場所にいって鳴いたり、巣材を運んだりしてパートナーにアピール、
相手が合意してくれれば、その場所に決定するのだろう。
七井橋を縄張りにするつがい。
七井橋近くのカップルはここに巣を作るのかな?藪が近すぎ危険な気がする
ここはヤブが濃く近すぎのようだ。へビや、ゴイサギ、カラス他いろんな危険に対して弱そうだけれど、この場所で決定なのかな?
パートナーはまだ対岸のガマ藪が好みのようだ。
しばらくガマ藪で鳴き続けたのに相手に完全に無視されてしまった。
カイツブリの営巣場所選びには経験と知恵、そしてパートナー同士の合意が重要なようだ。
ここでもやはり、主導権を握るのはメスのようだ。
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つづく
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