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Photographer Takashi Iwamoto Blog

ブログ | アフリカ フォトグラファー 岩本貴志|ドキュメンタリー ビデオ / 写真 撮影

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執筆者の写真岩本貴志

「続、カイツブリの子育て」その20、弁天池の巣には危険が?

更新日:2022年7月27日

このブログは2018年に井の頭公園で繁殖したカイツブリの繁殖、子育て奮闘の様子を紹介しています。

前年、観察を続けていたヒナたちは全滅。今年こそヒナが立派に成長するまでの一部始終が見てやろう!と、書き始めたのがこのブログです。

親鳥は一生懸命水草を集める、巣を作ろうとしているようだが。 6月21日



6月21日、弁天池のカイツブリファミリー、雛たちは巣にはおらず、池の真ん中。

はたして、どうしたのでしょう?


 


親鳥はひっきりなしに水草を集めている。

一箇所に集めて巣を作ろうとしているようだが。

あっちに集めては、こっちにも集め、そしてまたあっちにと場所も一箇所に定まらない。

それ以前に水草はいくら一箇所に集めても沈むだけ。

それでも親鳥たちは必死になって何時間も水草を集めた。

ヒナのために早く巣を作ってあげたいという親鳥の気持ちが伝わってくるのだが。

あまりにも必死になりすぎて、水草をヒナの頭にぽいと載せる事もしばしば。

それにしても、どうして巣に戻らないのだろうか?

巣で、何か危険な目にあったのかな?

時々水草集めを中断しては、ヒナたちを呼び集める。

親鳥が一声「ピーッ!」と短く甲高い声で叫ぶと、散らばっていたヒナたちは一斉に親鳥のすぐ近くに集まってくる。


親鳥は、羽を軽く広げ隙間を作って、ヒナが羽の中に入るように促す。

ヒナたちは既に大きく4羽のヒナ全ては、なかなか窮屈で親鳥の羽の中にもぐりこむ事が出来ない。

1羽は親鳥に体を寄りそって危険に備える。

さらに高い声で「ピーッッ!!」と叫ぶと、雛たちは一瞬にして潜る。

中には出遅れる雛もいるが。


小さいながらも、親鳥の言う事がわかっているし、短いながらも既に潜ることも出来るようになっている。

カルガモが近くを飛んで来ても警戒声を発し、子供たちは一斉に水中にダイブ、なんて事も見られた。


親鳥は上空を警戒している、猛禽なのかな?


ヒナたちが親鳥の羽の中に乗っかっているのは見ていてほのぼのする。

でも、そんな時、カイツブリが危険を感じて警戒しているのが殆どい。

それは、いざとなっても、ヒナを守れる体制。

親鳥にとっては気が気でない時だ。

外敵は空からだけでない。


水面からヘビが来たり、水中からカメが来たり。

あらゆる危険に備えなければならない。


そんな時、近くをヘビが通り過ぎた。 6月21日

この日、カイツブリの親鳥はどうしても元の巣に戻りたがらない。

もしかしたら、このヘビ君が巣の近くででもはいかいしていたのだろう。

それも水面上からで無く木の枝伝いに。

巣の近くの枝にヘビが潜んでいたのかもしれない。

このカイツブリのファミリーの巣は葉っぱの生い茂る木。

ヘビが潜むのには好都合だ。


そういった目で改めて見ると、以前の巣の場所、ヒナにとってとっても危険そうな場所だ。

「危険なものはいないか?」 巣の偵察、ついでに水草をのっける。 6月21日

結局、この日巣は出来なかった、というか形にもならなかった。


親鳥は何度かもとの巣にいって偵察に行った。

戻る事も考えているのだろう。

でも、この日雛たちを巣に呼び戻す事は無かった。

まだ、巣の近くに何か潜んでいて危険な気配を感じているようだ。

親鳥は、ヒナをとにかく岸辺に近づかないようにしていた。

だから、ずっと雛たちは池の真ん中辺りにいた。

池の真ん中は、ヘビなどに対して防御しやすそうだ。

近づいてくるヘビは丸見え、追い返す余裕も十分ある。


逆に空から丸見えになる池の真ん中は、猛禽などに対しては良くなさそうだ。

そう考えると、外敵はやはりヘビかな?


危険があっても、雛たちの食欲には答えなければならない。 6月21日

この弁天池は、現状見た感じ、井の頭公園の中では最も餌が豊富そうだ。

餌の種類には魚やエビ、が多い。

でも、ヘビに目をつけられてしまったのは厄介。

この日は全く巣に帰る事は無かった。

このまま元の巣を放棄してしまうのだろうか?

ヒナはまだ小さい。

巣が無くても生きていけるのだろうか?


つづく

 

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