top of page

Photographer Takashi Iwamoto Blog

ブログ | アフリカ フォトグラファー 岩本貴志|ドキュメンタリー ビデオ / 写真 撮影

takashi iwamoto rogo whtie wide
執筆者の写真岩本貴志

「続、カイツブリの子育て」その28、親子、公園で見られる水鳥の繁殖、生態観察日記

更新日:2023年7月4日


このブログは2018年に井の頭公園で繁殖したカイツブリの繁殖、子育て奮闘の様子を紹介しています。


前年、観察を続けていたヒナたちは全滅。今年こそヒナが立派に成長するまでの一部始終が見てやろう!と、書き始めたのがこのブログです。


無事に育っている七井橋ファミリーのヒナ、7月19日


 

何日か姿を見つけられなかった七井橋のカイツブリ、2羽の雛は無事に育っていた。


何の事は無い、見られなかったのは筆者の観察不足だった。

雛たちは、2羽仲良く水生物館向かいから、御茶ノ水の橋の近く仲良く泳いでいるのを見かけた。



雛たちはがんばって、小さな虫などを捕まえて食べている。

親鳥も2羽いて、時々雛たちに餌を持ってきてくれているようだ。

前回ブログで取り上げた、このファミリーにちょっかいを出していたカイツブリは見かけない。


どこかに飛び去ってしまったのだろうか?

7月19日現在、井の頭公園では3つのカイツブリファミリーが生活している。

雛の数は
  • ひょうたんファミリー、3羽 

  • 七井ファミリー、2羽 

  • 弁天ファミリー、3羽

どの家族のヒナたちも羽の色は違えど、親鳥に近い大きさになってきた。


そして、どこのファミリーの雛も親鳥に甘えようと近づくと攻撃を受けるようになってきた。


子の親離れを促すための行動なのだろう。

親鳥も甘えようとするヒナを見ると、「甘えるな!」と怒っている様でもある。




親鳥による雛たちへのトレーニング


親鳥は攻撃するだけではなく、雛への教育も怠らない。

親鳥が水面に上がってくると、餌を持っている持っていないにかかわらず、雛たちは餌がもらえないかと親鳥に近づいていく。


大抵親鳥はヒナが接近してくると、潜ってどこかへ行ってしまう。

何度も繰り返すうちに、雛は水中へと親鳥の後を追いかける。


親鳥はこうやって、雛が水の中に潜るのを望んでいたようだ。


水中では、雛に餌のとり方を教えてあげているように見える。


また、ただ潜るだけで無く、「こんな場所に餌がたくさんいるんだよ!」と水面を餌の豊富なポイントへと誘導して行く。


親鳥に付いていって、雛たちはどこでどんな餌が捕まえられるのかを学んでいくようだ。

親離れして最も重要なのは、自ら餌が捕まえられるかどうか。

獲物が捕らえられるかどうかは、生死にかかわる重要な問題だ。


ここでちゃんと教育を受けないと、親離れした後で大変な事になってしまうのだろう。



雛たちの性格の違い


雛たちも人間同様、百羽百様、同じ両親を持つ兄弟であれど、性格は皆違う。


積極的に潜るヒナもいれば、ほとんど潜らず、水面で親鳥の餌ばかりを待つ雛もいる。


勝手にどこかへと行ってしまう雛もいる。

そんな中、餌ばかり待っている甘えん坊の雛が特に、親鳥による攻撃のターゲットになってしまうようだ。


いつまでも甘えようとする雛に対して、「もう甘えるな!」との意思表示のようだ。



それでも、しつこく甘えようとする雛は、親鳥の集中攻撃を受ける。


だから甘えたい盛りの、より小さな雛が親鳥にやられる事になる事が多い。

ひょうたんファミリー、7月11日



ひょうたん橋ファミリー、いつもいちばん小さな雛が集中的にいじめられている。


右の雛は親鳥への甘えが許容されているようで、甘えてもほとんど攻撃を受ける事が無い。


それを見ると、単に、ヒナの甘え防止と独り立ちだけを促しているだけではないのだろう。

そこには、残酷だが間引きの要素も入っていたり、もしくは、雛の雌雄も関係しているのかもしれない。

それでもへこたれなければ、小さなヒナも育っていく事が出来る。

上の写真、攻撃しているのはオス親と思われるが、

お母さん子と思われていたヒナは攻撃されながらもいつもお父さんに世話を受けている。


きっとこの兄弟仲が良いのだろう、親鳥が出かけている時はいつも仲良く一緒に行動している。


こんなに攻撃を受けながら、一週間後の7月19日にも、雛たちはちゃんと生きていた。



いつも攻撃されながらも生きる雛、とても打たれ強くなり強い親鳥になりそうだ。


攻撃は後頭部がねらわれる。7月11日

攻撃で狙われるのは大抵後頭部。


何とか逃れようと水中へと逃げるが、親鳥は水中もずっと追いかけて行く。

攻撃される側の雛は大変だ。

雛も親鳥の行動を真似、仲良し兄弟を攻撃 7月11日



雛たちは、親の行動を真似ながら育って行く。


仲のよい兄弟も、親鳥を真似て兄弟を攻撃する。

きっと遊びの感覚なのだろう。


巣を 最初に作った場所に、再び巣がこしらえられた。休息所のようだ。7月11日

雛の独り立ちを促すために鞭ばかりが与えられるのではなく、飴も与えてくれる。

ひょうたん橋の近く、最初に巣を作った場所に再び巣が作られた。

雛が休むための休息場所なのだろう。


この急ごしらえの巣は数日後には、すでに流され無くなっていた。

そんな数日後、2羽の雛を連れて流された巣のあった場所にやってきた親鳥。

「あれ?巣は何処だ?」あちこち探すが巣は見つからない。

まっすぐと元来たほうへと戻っていった。

きっと、雛を休ませてあげようと巣のあるはずの場所に連れてきたのだろう。


親は親、子は子。大きくなった雛はまだ、親鳥の羽の中に入ろうとしていた。 7月19日ひょうたん

これだけ雛を自立させようと攻撃する親鳥も、やはり親は親、子は子である。


雛は、親鳥が攻撃してこないのを見受けると、親鳥にゆっくりと近づいた。

雛は親鳥とさほど変わらない大きさに成長しているにもかかわらず、小さかった時の様に、親鳥の羽の中に入ろうとしている。


そして親鳥も雛が羽に入ろうとしているのを許容。


もちろん親鳥と同じくらいに成長した雛、そんな事出来るはずもない。


甘えられるほうの親も、心地良さそうだ。

雛に鞭を与えている親鳥も、子がかわいくて仕方が無いのだろう。

でもそんな事を言っていては雛が自立出来なくなってしまう。



攻撃を受ける小さなヒナ、「負けるな!がんばれ!」 7月18日 ひょうたん





つづく

 

前の記事

次の記事


Commentaires


takashi iwamoto rogo white wide
「このサイトはアフィリエイト広告(Amazonアソシエイト含む)を掲載しています。」
bottom of page