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Photographer Takashi Iwamoto Blog

ブログ | アフリカ フォトグラファー 岩本貴志|ドキュメンタリー ビデオ / 写真 撮影

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執筆者の写真岩本貴志

「続、カイツブリの子育て」その31、旅立ち、公園で見られる水鳥の繁殖、生態観察日記

更新日:2023年6月18日


このブログは2018年に井の頭公園で繁殖したカイツブリの繁殖、子育て奮闘の様子を紹介しています。


前年、観察を続けていたヒナたちは全滅。今年こそヒナが立派に成長するまでの一部始終が見てやろう!と、書き始めたのがこのブログです。


カイツブリ、単独で行動

8月後半になると各個体それぞれ悠々自適に単独行動、 御茶ノ水



前回記事を更新したのは、8月16日。


既に一ヶ月以上経ってしまいました。


記事にはしていませんでしたが、その間も管理人は井の頭公園に通っておりました。

さてさて、池のカイツブリ君たちはどうしていたでしょう?


 



公園で見られる水鳥、カイツブリのそれぞれの番いが子育てを完了


*弁天、ひょうたん、七井と、井の頭公園の池の三箇所で、それぞれ子育てを終えたカイツブリファミリーたち。


公園で見られる水鳥、カイツブリ、今年は子育てに失敗したつがいが、二度目の子育てに再挑戦する事無く、どこかへ行ってしまった。

去年の暮れから今年の初めにかけて行われた井の頭公園池のかいぼり


その直後である今年の池は、きっとカイツブリの子育てに好適では無かったように思われる。


うまくいくか心配していたカイツブリの子育ても、無事に3ファミリーが繁殖に成功し、合計すると8羽のヒナが無事に育った。


8月の中旬まで親鳥に甘えていたヒナたちもきっと自立したのだろう。


8月も終わりの頃になると、親鳥と一緒にいるヒナの姿は完全に見かけなくなった。

池で見かけるカイツブリは、増えたり減ったりするものの、大抵見られるのは成鳥の2羽とヒナの2羽の合計4羽だけ。


それぞれの2羽のヒナ、そして親鳥たちも池の方々を思うがままに行動している。


7月には6羽いた成鳥と8羽いたヒナたち、いなくなったカイツブリ君たちはきっと、どこか遠く、新天地に飛んでいってしまったのだろう。



普段は殆ど飛ばないカイツブリ、本当に飛べるのか疑問に思うこともあるが、立派な羽を持っているのだ。


普段飛ばないのは、旅立ちの時のために体力を温存している為かな?

水面で生活し、水中で漁をする生活をしている間は、飛ぶ必要はまったく無いからだな。


今、池に残っているカイツブリたちは、居場所もまちまちで、誰が誰だかわからない。

どこかに隠れているのか、見つからない事も結構ある。


管理人は、今池に見られる2羽の成鳥は七井橋ファミリーのつがい、2羽のヒナは弁天の兄弟だと想像している。



成鳥の2羽は、9月の頭に水生物館前で交尾をするのを確認した。



カイツブリ、羽ばたき

羽ばたくと立派な羽、飛翔能力はけっこう高そうだ




秋も深まると生き物たちの気配が薄まり寂しい


9月も終わりになって気温もぐっと下がるようになってきた。

騒がしかったセミの声も完全に消え去り、池の上を飛ぶトンボの姿もすっかり消えた。


カイツブリの数も少なくなって、寂しい限りだ。

まだ蚊は飛び回っており、時々蚊に刺され、痒さで寂しさが多少は紛らわされる。


この夏の風物詩の蚊も、すぐに見られなくなってしまうのだろう。


今は、子育てを行なったカイツブリの親鳥たちも、ヒナたちもそれぞれが、悠々自適に池のあちこち餌を求めて泳ぎ回っている。


池もそんなに大きくはないので、当然ながらカイツブリは仲間同士出くわす。


お互い距離を置いているが、時々お互い近づいてあいさつをするようだ。



カイツブリ、親子の再会?

もしかしたらお母さん?」「私の息子?」とか思ってるのかな? 



池を泳いでいるカイツブリが他のカイツブリを見つけると、お互いがゆっくりと近づいていく。


この時は幼鳥がより積極的に成鳥に近づいていった。


成鳥のほうはじっとヒナ(幼鳥)の様子を伺っている。

ヒナ(幼鳥)はもしかしたら餌をくれるとか思っているのかな?



カイツブリ、見つめあう親子

無言の挨拶を交わす成鳥と幼鳥 ひょうたん9月23日



成鳥のほうは、ヒナ(幼鳥)の姿を暫く観察すると潜ってしまった。


幼鳥は成鳥が浮き上がって来るのをその場でじっと待っていた。

成鳥が水面に現われると、すぐにヒナ(幼鳥)は成鳥の元へと近寄っていった。


「もしかしたらお母さん?」「お腹空いたー!」


成長は、自分の子供ではないと確認したのか、それとも自分の子供に「もう甘えるんじゃないよ!」とでも思っているのか、再び潜って遠くへと去って行ってしまった。


幼鳥も成鳥が遠くへ行ってしまうと、ヒナ(幼鳥)は逆方向へと泳いでいった。



親離れを促す行動、親鳥の子をどついたりして追い立てる行動は、こんなカイツブリの大人としての距離感、しつけを得るためにも役立っているようだ。



出会いはヒナ(幼鳥)同士でも。


一羽の幼鳥が弁天池を泳いでいると、もう一羽の幼鳥が接近してくるのを見つけた。

すると、いったん岸辺に隠れて相手の様子を観察。


しばらくして相手が兄弟だと確認したのか、隠れていた幼鳥が「ピリュリュリュリュリュ・・!」と大人のカイツブリのつがい同士で鳴き交わすよりもずっと短く鳴いた。


それを聞いたもう一羽はゆっくりとその鳴き声の元へ。



カイツブリ、兄弟再会

「おい兄弟、久しぶり、元気でやってたか?」とか言っているのかな。 9月13日弁天



呼ばれはヒナ(幼鳥)は、呼んだヒナ(幼鳥)を見つけるとゆっくり接近し、お互いがお互いを観察しあった。


お互い、兄弟だという事を確認したのだろうか?

その後、しばらく2羽寄り添ってゆっくりと水面を泳いだ。


泳ぎを止めると、再び顔が触れ合うほどに近づけて、ぐるりと相手を観察。

再びお互いがお互いの観察を終えると同時に一羽が水中へ、するともう一羽もすぐに後に続いて水中へ。


水中でも二羽一緒に泳いでいるようで、二羽は、ほぼ同時に同じ場所に浮き上がってきた。



カイツブリ、一羽が潜ると

一羽が潜るともう一羽もすぐに後を追った。



きっとあの仲の良かった兄弟の再会なのだろう。

お互い、あの懐かしい小さかった頃の日々を思い出していたのかもしれない。


といっても、頻繁に会っているのだろうが。


最近は単独で行動している彼ら、時々寂しく感じるのかな?

そんな時、きっと仲間を探しながら散策するのだろう。



*解説、

ひょうたん・・・

ひょうたん橋近くで繁殖したファミリー、3羽のヒナを育て上げた。

今年初めて卵を産むが、ヒナが孵る直前に巣は崩壊、急きょ新たに巣を作り直して無事に3羽のヒナを育て上げた。

産んだのは4個の卵。でも最後に孵るはずの卵は、ヘビに食べられてしまったそうな。

ヒナのうち一羽は親鳥に執拗にいじめられていたが、無事に育ったようだ。

参照(カイツブリの子育て 2018、1、 2, 3, 4, 5, 6, 7 ・・・・)



弁天・・・

弁天池で繁殖、井の頭公園では今年3番目に繁殖を始めたファミリー。

5個の卵を産んだが、最初の卵は、巣が未熟で転がって池の底に沈んでしまったそうな。

4個の卵が無事に孵ったが、最後に孵ったヒナは翌日死んでしまった。

3羽のヒナが無事に育った。2羽の兄弟は非常に仲が良く、よく一緒に行動していた。

今回取り上げた2羽も、その兄弟かと思われる。

参照、(カイツブリの子育て 2018、12、 14, 16, 17, 20 ・・・・)



七井・・・

七井橋を吉祥寺側に渡って左に50メートルほど行ったアシの藪の中で繁殖したファミリー。

七井橋周辺で早い時期から巣作りを試みていただが、なかなか繁殖には至らず。

巣を作りはじめると、すぐ近くをアオダイショウが偵察。そんな事が何度もあって巣の場所がなかなか決まらなかった。

七井橋周辺の藪は、アオダイショウの住みか。

やっとの事、アシの生い茂る場所に巣を完成、繁殖に成功した。

4羽のヒナが孵ったが最後まで生き残ったのは2羽。

参照、(カイツブリの子育て 2018、18、 21、 25、 28, 30 ・・・)



水生物館・・・

今年最初にヒナを孵したファミリー。

順調に5個のヒナが孵ったが、一羽が子育てを放棄、残りの一羽もストレスからか雛の虐待、そして一家離散。

父親の浮気が原因かと思っているが、真相は謎。

(後に、お隣さんのカイツブリに、執拗な攻撃を受け、子供達は全てやられてしまったという事を、現場を見てたという人にお話を聞いた。)

参照、(カイツブリの子育て 2018、8, 11, 13, 15 ・・・)





つづく


 

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