一昔のカメラには現行カメラでは出せない、よりリアルな被写体の質感やトーンを出してくれるカメラがあったりします。
理由は高画素のCMOSセンサーに対して画素数を抑えたCCDセンサーの違いから発生するものです。
高感度にあまりこだわらず、発色にこだわっていたのでしょうね、きっと。
古いカメラにも多くの魅力があるという一例です。
前回のカメラ基礎講座2では、カメラのセンサーについてお話しました。
今回のブログではそんな、フィルムカメラの魅力を含め、古いカメラから新しいカメラまで、写真を始めるために必要なカメラを選びのポイントなど解説していきます。
この記事では、そんな迷いを少しでも解消出来ればと書き進めていきます。
全ては、筆者の視点、独断である事をお断りしておきます。
筆者はアフリカを拠点に活動するフォトグラファー。
日本ではカメラ販売の経験も豊富です。
アフリカにいて恋しくなるのは、駅そば、とカメラの販売ですか・・・
それでは本題に入っていきます。
一眼レフ、ミラーレス、カメラを始めるのにどんなカメラがいい?
カメラを始めたい!でも、数多く販売されているカメラの中から自分に合った一台を選ぶのはとっても大変です。
どのカメラにしたりいのか迷ってしまい、カメラを始めるのを躊躇されている方もいるかと思います。
「カメラを始めたい!」と思っている方、それぞれに、撮りたいもの、被写体は千差万別。
共通点があるとすれば、
スマホで撮っている写真よりも美し意写真が撮りたい!
一眼レフやミラーレスカメラを使って印象的に撮るぞ!
という点かと思います。
実際、一眼レフ、ミラーレス(この記事ではレンズ交換式ミラーレスカメラの事をミラーレスと表現します)を使えば、レンズ交換、各種アクセサリーを使う事によって、ありとあらゆる表現が可能になります。
他にも、今のカメラのほとんどに動画撮影機能が付いているので、写真だけではなく、動画でも美しい思い出の瞬間が動きが音声とともに残せます。
また、「漠然とカメラを始めて、何かを撮りたい!」そんな方でも、
スマホとはまるっきり違った立体感のある画像を提供してくれる一眼レフや、ミラーレス、手にするだけで、何か良いものが撮れそうで、いろいろと写欲が湧いてくるものです。
とにかく何も考えず、気に入ったカメラを買ってしまうのも手かもしれません。
でも、値段の張るカメラ機材、購入する前にはじっくりと考えたいものです。
最新機種である必要は無いカメラ選び
昔のフィルムカメラでも写真は撮れる!レンズが無ければ撮れませんけど・・・
最近のカメラのほとんどには、高性能なオートフォーカスが内蔵され、手振れ補正機能もより高性能なものに進化、
誰でも簡単に写真が撮れるようになっています。
液晶画面も大きくとってもクリアで見やすくなっています。
カメラを支えてシャッターを押す力があれば、小さな子供でも簡単に完璧にピントの合った写真が撮れてしまいます。
ピントの合った写真が撮れるという点では、テクニック的に、ほとんど何も必要ないといっても過言では無いかもしれません。
それだけ、カメラの機能は優れたものになってきています。
写真を趣味で楽しむのであれば、あえて古いカメラも有り
新しいカメラほど失敗写真は減るのは間違いないですが、写真を趣味として楽しむのであれば、そこまでの性能は必要ないものばかりです。
失敗を通して写真の面白さを知っていくのが醍醐味と思うからです。
少しでも失敗を減らし、結果さえ出せれば良い、というのであれば、最新機種がオススメです。
ただ、機能過多となった最近のデジカメを操作するためには、カメラ操作や写真の基本的な事は心得ておく必要があります。
とりあえずはオートで撮る設定を覚えれば問題ありませんが。
最近のカメラの進化のポイントは、手振れ補正やオートーフォーカスの性能、連写性能、そして動画の性能が主のもので、画質的には一昔前から足踏み状態な感があります。
ただ、高感度性能を別にすれば、画質的には一昔前から十分以上の性能です。
面白い事に、最新のシーモスセンサーを使ったものよりも、昔のCCDを使ったカメラのほうが印象的な発色をするなんて事もあるくらいです。
最新カメラではなかなか出せない色、CCD、APS-C1000万画素のリアル感
フィルム写真のような質感が残るCCDの色、けっこう印象的です。
実際そこにサルがいるような質感です。
この色は、最近のCMOSセンサーを使用した高画素カメラD800EやD850では、なかなか出ません。
今と比べて画素数が少ないCCDセンサー、高感度特性よりも発色性能に重点を置いていたからこそ、出る色なのでしょう。
1000万画素のCCDセンサーを使用した、おすすめカメラがD200
上作例で使用したニコン、デジタル一眼レフD200 程度の良い中古品も出回っています。
動画が撮れないのと、電池の消耗が速く高感度が弱いので星空の撮影には向いていませんが、今時CMOSセンサーとは違った美しい発色をしてくれます。
フィルム写真を撮る感じで使えるカメラです。
日中の一般的な写真撮影
写真の色は、人がなんといおうと自分のセンスを信じよう
数値で表せない、見る人各人違う写真の色の印象。
人が何と言おうと、メーカーがどんな売り文句を言おうと、
自分がどのように感じるのか、自分のセンスを信じる事は重要です!
このブログに書いてある事も「真に受けないで!」という事でもあります。
ここでこう述べるのは、値段が高いカメラ、新しいカメラだからといって、写りが、自然で美しい色だとは限らないからです。
写真を撮る者として、自分がどう感じるかが重要な点!
答えが無い色の世界、見る人それぞれ感じ方が違う色、自分自身ががいちばんいいと思えばその色がいちばんいいのです。
ダイナミックレンジ、色域の広さだけで決まるわけではありません。
趣味として写真の基本を学ぶには、カメラ機能は最小限のほうがいい
カメラを選ぶにあたって、自分にはどの機能が必要で、どの機能が必要でないのかを十分に把握すれば、カメラ購入にかかるコストも大きく抑えられます。
逆にいえば何でもかんでも機能をそろえたものを選択すればそれだけコストも跳ね上がります。
上記したように、一昔前、二昔前のカメラでも十分にきれいな写真が撮れまいます。
趣味として写真を撮るなら、カメラの設定はある程度、自分でやりたいもの。
手振れ補正も無い機種で撮れば、カメラのホールディングの重要性を知る事が出来ます。
ファインダーの優れた一眼レフカメラであれば、マニュアルでピントを合わせるのはさほど難しい事でないと分かるでしょう。
自ら露出を設定してピントを合わせて、上手く撮れた時の感動もまたひとしお。
また、ブレによって思いがけない傑作が生まれる事だってあります。
失敗写真を通して、シャッター速度と絞りの関係などなど、写真の基礎から多くの事を学ぶ事が出来るかと思います。
※ちょっと古いカメラでも、一般的には十分に使えるオートフォーカス、オートの露出機能、手振れ補正を備えているので、全てアナログで操作する分けでもありません。
とりあえずコストを抑えたければ、中古品もねらい目
中古カメラ店に行けば、手軽な価格の高画質な中古カメラも多数出回っています。
中古カメラを視野に入れれば、カメラ選びには不自由する事は無いでしょう。
中古品の値段は基本、人気を現しているので、人気のない一昔前の高性能なカメラを選べば、手頃な値段で高性能カメラを手に入れることが出来ます。
エコノミカルに、写真を撮る楽しさ、写真の醍醐味を知る近道になるかもしれません。
古いデジタル一眼カメラ、背面液晶画面、解像度も低くクリアでないですが、写真はクリアに撮れますので安心してください。
機種によって、特に一昔前のミラーレスでは電池の持ちがあまり良くなかったりするので、購入前には十分に確認しましょう。
後は、メーカー修理対応が出来なかったり、出来てもすぐに終了してしまったりしますので、そこらへんの不便さを天秤にかけて、中古カメラ選びをする事をおすすめします。
※注意
中古のカメラやレンズにはカメラ好きにはたまらない魅力的な製品が山ほどあります。中古品の泥沼にはまってしまうかも知れないので注意が必要です!節約するつもりが余計に出費につながるなんて事も。
カメラの中古店通いが習慣になると、使わない機材増えてしまいます。
筆者も十分注意しているつもりですが、日本にいるとどうしても中古屋さんに立ち寄ってしまい、何かしら使わない機材が増えたりしてしまいます。
本格的に写真を楽しみたければ、高くても現行品を購入するのが無難
いずれにせよ、最新の現行品がオールマイティーで、何でもこなしてくれるのでおすすめです。
最新カメラの魅力
現行のカメラは、基本的に中級機でも一昔前の最高級機の高性能オートフォーカスセンサーが内蔵されていたり。
最新AIによる、カメラが被写体を認識しながらピントを合わせてくれる高精度なオートフォーカスが内蔵されていたりします。
初心者向けのカメラであろうと連写性能は、十分なものを備えていたりもします。
手振れ補正の能力も、驚くほどに高精度になっていて、ある意味ピントの合っていない、ブレた失敗写真を撮るほうが難しい、といっても過言では無いでしょう。
メーカーの保障、修理が今後販売が完了してからも数年間出来ます。万が一故障しても、末永く使っていけます。
充実した高画質の動画機能、10ビットログ収録やスローモーションなど、今まではプロ機でしか使えなかった動画機能も非常に充実しています。
あまりにも進化してしまったカメラ、ちょっと寂しいとおもう点
小さな子供でも簡単にピントの合った写真が撮れてしまう最新カメラ。
誰が撮ったの?てなっても
「カメラマンが撮ったのではなく」、
「カメラがいいから撮れた!」、
「カメラが撮った!」
ってなっちゃう事では無いでしょうか。
あまりにも進化しすぎて、テクニック的に介入の余地が非常に小さくなってしまった最新カメラ、究極の、失敗しないカメラであり、究極的に生産効率が高められたカメラです。
これからも、まだまだ進化していくのでしょう。
写真を撮る行為に面白みが感じられなくなってしまった、という点はあるかもしれません。でも、創意工夫で、今までに無かったようなハッと思わせる写真(イメージ)を作り出す、という点には変わりありません。
写真を趣味で楽しむためのカメラの最も大切な点
どんなカメラを使おうと、
自分自身が楽しんで撮れるカメラ。
夢中になって撮れるカメラ
愛着の湧くカメラ
人がなんといおうとも、そんなカメラがベストなカメラだと思います。
フィルムカメラ
デジタル全盛の今ですが、フィルムカメラも使う事が出来ます。
魅力はなんといっても、過去の第一線プロカメラが破格の安さで手に入れられる事でしょう。
フィルム代、現像代とコストはかかりますが、一枚一枚、大事に撮るという行為を楽しむのもまた乙です。
デジタルでは絶対に味わえない醍醐味!
一枚一枚がコストなので、心を込めて全神経を集中して写真を撮る事になります。
フィルムにはネガとポジ、白黒フィルムがあり、一般的な35mmフィルムを使うタイプから、中盤(プローニー)、大判など、フィルムサイズもいくつか存在します。
中盤645だと撮れるのは、15枚+(120)もしくは30枚+(220)
フィルム写真の魅力
撮影前からイメージを膨らませ、露出の設定、フォーカスの設定、アングル、画角など等、確実に行なうようになります。
撮影した写真は現像しなければ見る事が出来ないので、そのイメージは脳の中で形成され、良いイメージは撮った瞬間に手ごたえとして感じられるようになります。
現像が上がって、撮れた写真を目で見て確認する時のわくわくドキドキ感も、フィルムカメラならではの醍醐味。
念には念を入れて一枚一枚噛み締めて撮影するようになるので、得られるものもひおとしお。
35mmフィルムだと、たった36+枚しか撮れないですが、心を込めて撮る36枚の多さ、一枚一枚の重さを身をもって感じられる事と思います。
デジタルだと36枚なんて一瞬で終わってしまいますが、フィルムで36枚撮るのはけっこう大変です。
露出計以外、電池無しでも作動する完全機械式カメラ。
フィルム写真の味わい
デジタル写真と比べてパッと見ではそれほどインパクトを感じないフィルム写真。
じっくりと見るほどに感じられる、デジタルには無い微妙な諧調、銀塩粒子から作られるデジタルには無い味わい、エッジを立てたりしない温かみを感じられる事でしょう。
ただ、フィルム代、現像代が高騰してしまった昨今、お金がかかってしまうので・・・
初心者の方にはあまりオススメしません。
久しくフィルムカメラを使用していなかった筆者、しばらくぶりにフィルムの値段と現像料金を調べてみると、その値段の高騰には驚くばかり。
お金のかかる究極の趣味となってしまったと感じました。
筆者がフィルムで撮っていた時の2-6倍、されにそれ以上の値段です。
ケニア少数民族、エルモロ族、ポジフィルム、プロビア100で撮った写真をスキャンしてデジタル化したものです。
出力はデジタルですが、デジタルカメラで撮った写真とは一味違った感じが分かるかと思います。
フィルムがベラボーに高くなってしまった昨今、
フィルムの発色に近い、古いCCDカメラをフィルム代わりに撮るってのも、乙かもしれないです。
D200だったら似るたような質感出るぞ!
まとめ
今回は、古いCCDセンサーを使ったカメラの魅力、フィルムカメラの魅力、最新カメラの魅力など、カメラを選ぶために必要な情報をまとめてみました。
カメラ選びの基本
趣味で写真ライフを楽しみたいのであれば、最新カメラである必要は無い
中古カメラを視野に入れると、カメラ選びの幅は大きく広がる
フィルム写真もいいですが、フィルム代、現増代が暴騰してしまった今、趣味としてはあまり現実的ではなくなってしまった
とにかく失敗したくないのであれば、新しいミラーレスカメラがおすすめ
現行の新品であれば、後先のメンテナンス、修理の点においても長く安心して使えます。
次回は、一眼レフが良いのか、ミラーレスが良いのか考察していきます。
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