最近のレンズに思う事、ニコンを使っている理由について、
今回は、そんな事を、昔話入れてつつ、お話しようと思います。
いつもながら、管理人の勝手気ままな独断と偏見なので悪しからず。
目次
Nikon F3T + Ai Nikkor 50mm f1.2s
40年前に発売とは思えない斬新なデザインのF3。
最近のカメラよりも斬新に見えるのは管理人だけ?
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1、レンズの耐久性
もう一昔も二昔の事になるが、カメラのレンズといえば、非常に頑丈というイメージがあり、買えば一生もの。
落としたり、ぶつけたりしなければいつまでも使えるというイメージがあった。
それが、最近のレンズには、どうも当てはまらないようだ。
落としたり、ぶつけたりしなくても、使っているうちにピントが甘くなってきたり。
それが、何の拍子で起こったのかも分からなかったりと。
使っていたニコンの70-200mmf2.8では、ある日突然画面中心以外、ピントが合わなくなった。
今でも何が原因だったのかよく分からない。
オーリングやパッキンなどふんだんに使われて、防塵防滴機能は、昔のものと比べると非常に良くなっている。
だから、雨の下でも安心して使えたりとメリットも多いのだが。
タムロン2世代目、150-600mm
タムロンさんのご厚意で、最新の150-600mmを長期間使わさせてもらった。
使い初めはものすごくシャープで切れがあった。
でも、使っているうちに、ピンがだんだんと甘くなるのを感じた。
手振れ補正の効果も、使っていくうちに弱くなった気がする。
画質が不安定になりやすい手振れ補正は、大抵、一旦オフにして電源をつけなおしても、画質が改善されない事が多くなってきた。
手振れ補正用のレンズが、光軸上真ん中に戻らないのが原因だと勝手ながら推測。
当時レンズは、常にかばんに入れるか首から下げて歩き回っていた状態だ。
2、ここで手ブレ補正について少しだけ説明
手持ちでの撮影、シャッター速度が遅くなると、手ブレでシャープでクリアーな写真がなかなか撮れなくなってしまう。
どんな決定的瞬間でも、ブレてしまっては写真は台無し。三脚を使えばいいが、機動性の面で劣り、三脚が使えない場面も結構存在する。
そんな時に重宝するのが、この手ブレ補正機構だ。
手ブレ補正には以下の3種類がある
手ブレ補正が、レンズに内蔵されたもの
カメラ側のセンサーをを動かして補正するもの
センサーに写った画像を電子的に補正するものがある。
それらを組み合わせ、さらに高度に手ブレ補正を行う機種もある。
今回ここで言う手ブレ補正は、レンズ駆動式。
最近のレンズは、手振れ補正のために、超精密なジャイロセンサーやら、手振れ補正レンズの駆動システムやらと、非常に複雑な機構となっている。
しばらく使用していて、元の性能を出さなくなってしまうのも、それら複雑怪奇な、レンズ内手振れ補正のレンズ駆動機構がどうも、悪さの根源のように思う。
正直定かではないが。
機構的にレンズを光軸に固定せずに、動かすわけだから、センサーがちょっと狂っただけで、ピンを結ばなくなってしまう事にもつながるだろう。
3、オートフォーカスが使われる前の昔のレンズ
レンズ構成的には複雑であれ、当時の、全てのレンズはしっかりと鏡筒に固定されていた。
駆動部分は、ズームの他はフォーカスと絞りぐらい。
全ては機械的に組み込まれていた。
駆動は全て機械的入力によるもの、モーターなども組み込まれていない。
ごみや水の原因もあるが、基本ショックさえ与えなければ、壊れる要素がほとんどなかったという事も出来る。
いい悪いはともかく、レンズは常に光軸上に並んでいるので、いつでも安心して使う事ができた。
ただ、当時のレンズほとんど、防塵性や防滴製について考えられてはいなかった。
水が入ったところでほったらかしていれば、カビの原因になったりと、その程度のものでもあったが。
そんな当時のレンズと比べると、今のレンズはハイテク装備が満載され、機械的にも、電子的にも複雑怪奇。壊れる要素も盛りだくさんだ。
4、そこで、カメラとレンズの歴史を遡ってみようと思う
レンズのハイテク化の第一歩として、まずオートフォーカス化。
その前にはカメラの露出のオート化や、フラッシュのTTL化等のいろいろな進化があったが管理人は当時まだ小さな、小学生。
それらの事は、あまり知らないので割愛する。
管理人がカメラをいじくり出すちょっと前、
最初に大ブームを巻き起こしたミノルタ、アルファー7000が1985年に発売された。
このカメラ、オートフォーカスのモーターはカメラボディに内臓され、レンズのフォーカス機構が、カメラ内臓のフォーカスモーターにギア接続された。
レンズにモーターが無い分、レンズはマニュアルレンズと変わらないコンパクトさ。
誰でも簡単にピントの合った写真が撮れるようになった。
フォーカスポイントは真ん中の1点のみだが、止まっている物にはしっかりとピントを合わせた。
目の悪いお年寄りでも、一眼レフカメラでぴたりとピントの合った写真が撮れ、当時としては驚異的な事だったと思う。
それが、爆発的に売れた理由なのだろう。
メーカーごとにレンズにモーターをつけたり、ボディにモーターをつけたりと、方式はまちまち。それぞれにメリット、デメリットは、あるのだが当時は、ボディー内臓モーターに軍配があがった。
同時期キャノンからはT80というオートフォーカスカメラが発売された。
レンズ内モーターを採用したオートフォーカスシステム。
当時、レンズがやたらと大きく見た目も芳しくなく、アルファ7000の影に完全に消えてしまったそうな。
早いうちに失敗するのはいいようで、キャノンのその後、最近までに続く成功と飛躍はその時の悔しさをばねにしているといっても、過言ではないのではなかろうか。
数年後キャノンは、FDシステムを潔く完全に捨去り、1987年にEFレンズマウントシステムに完全に乗り換え再出発する事となる。
キャノンのその後の飛躍はすさまじく
即座に、レンズ内モーターを実用レベルまでコンパクト化させた。
電磁絞り、USM超音波モーター、レンズ内手振れ補正を実用化させたりと、カメラ業界の、ハイテク化の先端を突っ走る事になった。
眼鏡を使うと誤作動するのが原因とかで、今は無い、オートーフォーカス視線入力機までも作っている。
最先端を突っ走るキャノンの後ろを、他社メーカーは、常に追いかける形となった。
キャノンは20年前から、ニコンが徐々に辿り着く事になった完全電子連動方式の殆どをいきなり取り入れていた。
USM超音波モーター、超高速オートフォーカス、フルタイムマニュアル、電磁絞り等々。
先見の名があったといえる。
ニコンのメリット
ハイテクでは劣っていても、道具として使うにはニコンであれば古いレンズもずっと使っていけるというメリットがあった。
管理人はずっとニコンを使っているのはそれが大きな理由だ。
機械連動はアナログ的にいろいろと応用が利く。
最初に成功してしまったミノルタは、その後、パワーズームやらシャッター速度1/12,000秒など、スーパーシャッター、オートフォーカスクラッチ機構などを出したりしたが、市場にはあまり受け入れられず。
いろいろと迷走した末、ソニーにその血統は引き継がはしたものの、カメラ業界から去る事となってしまった。
最初に上手くいってしまうのは、良くないのかもしれない。
5、一時期使っていたミノルタ、アルファー 7700i
管理人は高校を卒業するまでは、ミノルタのカメラを使っていた。
アルファ7700i という1988年5月発売のカメラで、世界で始めて予測駆動のオートフォオーカスを内蔵したカメラ。
3点縦横に配置された測距センサーと、その予測駆動フォーカス。
当時の他のカメラと比べると、オートフォーカスの性能では群を抜いていたと思う。
その後、ニコンに乗り換えても、そのオートフォーカスの性能、F4よりもずっと勝っていたと思う。当時のミノルタ、大ヒットしたアルファ7000のおかげで、潤沢な底力があったのだろう。
なんとなく、TVCMでもやっていた、シャッター速度1/8000秒搭載の、ニコンF801を買おうとして店に行ったのだが。カメラの事など何も知らず、新宿の某カメラ量販店で店員さんに進められるがままに購入したものだ。
特に悪い買い物だったわけではないが、その後、販売員の言いなりにはならないぞ!と、大いに反省する事にもなるのであった。
その後、各カメラメーカーのカタログ、雑誌を読み漁ったりして、一般的なカメラ販売員以上の知識を蓄えてからカメラ店に、行くようになった。
6、ニコンを使う事にした理由
高校を卒業する頃、カメラをニコンに乗り換える事にした。
理由はその豊富なシステムのラインナップ、特に望遠レンズのラインナップが気に入っていた。
カメラが新しくなっても、ずっと使っていけるレンズ。
将来は野生動物などを追いかけたいと思ていて、そのカメラやレンズの耐久性を最も重んじたのもまた、その理由だ。
雑誌を見ても、人の話を聞いても、ニコンは頑丈で壊れないと聞いていた。
撮影現場で、キャノンはレンズがエラーが出て使えないと嘆くカメラマンの姿は何度が見たが、ニコンでそのような事は見た事が無かった。
マウントを変える事無く、古いマニュアルレンズも使えるうえ、絞りリングも付いている。
レンズ逆付けしてのマクロ撮影やら、古いレンズを付けたりと、いろいろと応用が利く。
それらの理由も当時、ニコンを選んだ理由の一つ。
7、ミノルタ一眼が使えないと思った理由
当時高校生ながら、ミノルタのカメラは写真を仕事にするには不向きなカメラだなーと思っていた。
理由は以下の通り
ピント、マニュアルでの操作のしにくさ。マニュアルは使わないという前提でデザインされていた。
絞りリングのないレンズ。
単三電池が使えない、2CR5という1本1400円以上するリチウム電池を使い捨てで使わなければならない。
ガタガタでしっかりとフラッシュを固定出来ない、特殊な形をしたシュー。(何であんな形にしたのだろう?)
ファインダーのピントの山のつかみにくさ。
プラスチックを多用した耐久性の弱そうなカメラとレンズ。
使っていたAF100-300mmの画質の悪さ。
等々。
そしてバイトに励み、
高校卒業前に購入したのが、ニコンD4Sと105mmのマクロレンズ。
その後直ぐにシグマの28mmf1.8を購入した。
次いで、ニコンAF300mmf4s、Ai50mmf1.2Sとつづき、現在に至る。
高校卒業前に購入したF4s、健在
それ以来、ずっとニコンを使う事になる。
もちろん、キャノンも使うが、自ら購入して使った事はいまだに無い。
F4の時代、他の多くの人がそうしたように、管理人自身もキャノンに乗り換えようと思っていた、が、やめた。
理由は、余計な出費がかかるのはもちろんの事だが、やはりその耐久性が心配だった。
システム的に、機械式でなく電子式、当時、現場で故障して使えなくなる人を幾度と無く、見たりしていたから。
きっと故障というか、その殆どがレンズとボディの電気的連動接点の接触不良だったのだろう。
最大の理由は、カメラを変えたところで写真が変わるわけでも無いな!という事。
最も重要なのは、撮り手の心だということだ。
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今回の本題に入る前に長くなってしまったので、一旦ここで区切る事にします。
つづく
最後までお読みいただきありがとうございました。
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