このブログは、ケニアに長らく住みカメラマンとして活動している管理人が20年乗り続けている、愛車ランクル(HZJ75 1991)について、行なった修理などについて語っています。
修理はアフリカンスタイル、道路交通法も日本とはまるっきり違うのでご注意を。
もともとファンベルトすら交換した事の無かった管理人、20年前(2002年)にこのランクルを手に入れてからというもの、今では多くの修理を自分でこなすようになった。
それもこれも、修理で度々痛い目にあったからこそ。
お金を払って、壊されるのも癪だから、自分で修理するようになったのだ。
もともと機械好きの管理人、修理を始めると時間が経つのを忘れて作業に没頭する。
油と汗にまみれるのもなかなか好きなのだ。
という事で、こんなランクル整備の記事を書いている。
しばらくぶりのランクルの記事
前回記事を書いてから、ランクルは結構いじったので書きたい事は山々。
作業はなるべくスマホで撮っている。そんな写真をいま見返すと、思った以上たくさん作業を行なっている事に気付く。
車のメンテナンスは、管理人の生活の一部となっているなと、我ながら感じるのであった。そんな修理の数々も、そのうち紹介できればと思っている。
今回のブログは、しばらく気になっていたノイズの原因を突き止め解決したので、その事について。
日本と比べ、悪路走行が多いケニア。
ボディーのあちこち、思いがけない部分にクラックが入ったりするのだ。
車が車なので、あえて悪い道を好んで走ったりするのだが。
サスストロークの長いランクル、平地ばかり走っていると、足回りが鈍ってしまいそうなので、なるべく伸び縮みさせてストレッチを試みたりする。
特にそんな必要も無いのかな。
もっと、クラックが発生しないようにソフトに走るべきかもしれない。
この75型ランクル、クラックは結構発生するのだ。
2020年3月にボディー全塗装した時、修復したクラックの数々。(矢印がクラックを修復した箇所)
クラックの原因は、天井に大きな穴(サファリ用のハッチ)を開けたり、キャリアをつけたりした、しわ寄せなのかもしれない。
主にフロントピラー周辺にクラックが発生する。
クラックはもちろん他の場所にも発生。
車の左側に発生する事がなぜか多い。
左折時にノイズが発生するようになった
しばらく前から、左折する時、カポッカッポ、、、という音が鳴りはじめ、ノイズは次第に大きくなった。
最近では減速用のバンプを乗り越える時にも発生するほどになっていた。
薄い金属板の軽い音、やばい音ではなさそうだ。
ボディのどこかにクラックが走っている事を疑い、ノイズ発生源周辺を探すが、クラックはどうしても見つからない。
場所を突き止めるため、近所のメカニックに同乗してもらい、下から覗きこんだり、揺すったりしてもらった。しかし、原因は突き止められずじまい。
もう1年も経つのかな。
という事で色々と試してみた。
ノイズを止めるため、自ら試みた事。
ノイズ箇所周辺のブッシュの類を全て確認、調整、交換、ネジ類もゆるみが無いかしっかりと締め付けたりした。 ノイズは収まらない、、、
スプリングブッシュも交換、スタビライザーリンク交換、金属がこすれあう部分などにもしっかりとウレタンや、タイヤチューブなどを挟んだり。 ンー ノイズは収まらない、、、
ギアボックスマウント(トランスファー、ギアボックスを支えるブッシュ)が完全に裂けていた、これが原因だったんだと思って交換。 あれ?ノイズは収まらない、、、
おかげで車の走行中のノイズはかなり収まった。
しかしながら、肝心のカポッカポッ、、、ノイズは残ったまま。
ギアボックスマウントブッシュ、金属プレートとゴムが完全にはがれていた
ギアボックス、トランスファを支えるマウント。加速時、プロペラシャフトの捻転の力はこのブッシュで支えられている。片側が押し付けられ、片側が引っ張られ。
31年間ギアボックスを支え続けたブッシュ。お疲れさん!!!
何かしらの改造パーツとして使われる事になりそうだ。
これが裂けたと思われた後、上り坂で斑蔵を切るとシフトの部が左右に大きく振れるようになっていた。
右の新しいマウントは確か、マレーシア製。
経験的に最近の良さげの第三メーカー製、耐久年数は純正部品の1/3ほどの感じがする。
って事は10年ぐらいかな?
しかしながら値段は、ナイロビの正規店で買う純正部品の1/4、もしくはそれ以下で手に入る。安いのだけれど、長い目で見ると値段はあまり変わらない。
上の部品確か3500円ほどで購入。思った以上に安かった。
安全に大きな支障をもたらさない部品は、積極的に安い部品を使う。その後痛い目にあって、純正部品を高くても買う事になったりするのだが。
見つけたクラック
走行中のノイズは気持ちいいものでないので、なんとしても見つけたい。
てな事で、最近再び、近所のメカニックに同乗してもらい、クラック探しのリベンジを行なった。
近所を走りながら、時々下を覗き込んでもらったり、揺すったりしてクラックを探した。
今回は絶対に見つけてやるぞ!というメカニックの意地があった。
その甲斐あってかノイズの原因のクラックを見つける事が出来た。
原因は当初思っていた通りのボディのクラック。
場所は、助手席に座った人の左足つま先部分。
クラックはまっすぐ走っていたので、金属板が重なり合う構造上のものかと思い、クラックだという事になかなか気が付かなかった。
そもそも床カバーの下側なのでカバーを剥がさなければ見つけられない場所だった。
助手席側の足元、だいたい助手席に座る人の左足、つま先辺りのクラック。
修理のため溶接を始めると、クラックはそこだけでなく、床と壁の境目まで長く延びているのを見つけた。
床と壁との境目部分にまっすぐ伸びていたのでなかなか見つからなかったのだ。
クラックは、ガス溶接で埋めていく事に。
まずは、溶接作業の下準備。
溶接は床下から。
管理人はボディの上で養生、ケーブルや樹脂類が、ダメージを受けないよう、湿った雑巾と、ペットボトルに水を入れ、床上で待機。
マットが床に触れないように、ジャッキスタンドの土台をマットの下に挟みこんだ。
アセチレンガスと酸素の炎はめちゃめちゃ熱い。
作業中は周囲もものすごく熱くなるので燃えたり、溶けたりしないように注意が必要だ。
溶接作業中は濡れ雑巾を作業場所にあてがい。
雑巾が乾かないよう、蓋に小さな穴を空けたペットボトルを水鉄砲にして、ゆっくりと絶え間なく水を注ぎつづける。
昔、目を離した隙に、ラジエーターファンのブレードの先端を燃やし、溶かされた事がある。
養生作業、人に任せると、何か燃やされたりすのだ。
こちらの作業員、隙さえあれば手を抜いてくる人が多い。
出来る作業員もいるのだが、、、、
当初思っていたよりも作業に多少時間はかかったが、何も燃えたり溶けたりする事無く無事に終了。
走行テストをして。
気になっていた、ノイズはきれいさっぱり収まった。
20年前に購入以来、今では走行ノイズ、最も静かになった。
さあ、サファリへ出発!
スペアタイヤは2本常備。
自ら磨けるクルマ
管理人にとって、車が快調すぎると、愛着が薄れていくもの、単なる移動の手段に感じるようになってしまうのだ。
車は、もともと移動手段なのだが、車をいじる事が生活の一部となっている管理人にとっては常に何かしらいじっていたいもの。
長年よりそう相棒ランクル、こんな感じで手軽に安く直せる故障を通して、存在感をアピールしてくるのだ。
直すほどに調子がよくなり、快調になるので、ますます愛着が湧くのである。
自分で磨ける車、磨けば磨くほど輝く車。
ランクルHZJ75はまさに、そんな魅力のある車だ。
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おわり
次回は、デフを下ろした事について書く予定です。
結局自分で調整の巻き。
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