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Photographer Takashi Iwamoto Blog

ブログ | アフリカ フォトグラファー 岩本貴志|ドキュメンタリー ビデオ / 写真 撮影

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執筆者の写真岩本貴志

衛星イオの木星面通過と土星【保存版】500mmで惑星撮影

更新日:2023年9月19日

ケニアをベースに活動するフォトグラファーのブログへようこそ。

今回はニコンの500mm望遠レンズを使っての惑星撮影になります。

以前にも何度か取り上げているので気になる方覗いてみてください。



衛星イオが木星面を通過する一部始終の撮影、そして今回は今まででいちばん高画質な画像が得られました。


【目次】


 



さらに高画質になった木星像


カメラ用の500mmf4望遠レンズで、ここまでのディーティルが出てくれるとは驚いた。


超巨大惑星木星の存在感は、観ても撮っても他の惑星と比べると圧巻!

望遠鏡で観ると、何かしらの巨大なエネルギーを感じるほど。


500mm f4 望遠レンズで査定した木星像、拡大撮影法

500mm f4、望遠レンズで木星面のディーテルがここまで出た




上の写真は、今回時間を置いて撮影し、仕上げた39枚の写真の中で最も高画質だった木星像。


木星面左側のほくろのような陰は、ガリレオ衛星で最も内側を回る衛星イオの陰。


衛星イオ自体は木星に埋もれてほとんど見えていないが、影から真右、木星中央よりもちょっとだけ右にある。



縞と帯の境目の渦の様子、細かな濃淡も写ってくれ、なかなか見ごたえのある木星像に仕上がった。


以前に撮った写真がしょぼく見えてしまう。

撮って処理する度にいろいろと改良を加え、今回の高画質木星像に至った。



前回木星面にガリレオ衛星のエウロパの陰が写った写真を紹介した。


木星面にガリレオ衛星が通過するのは面白いかなと思い、ステラナビゲーター95でシュミレート、タイミングを見計らって撮影に挑んだ。


前回の木星撮影して以降、最初は10月26日にはガニメデと、エウロパの木星面の同通過のチャンスだったのだが、あいにくの曇り空。


大赤斑が見え、イオも木星右すぐ近くにあるという好条件だったので、残念。


2度目のチャンスは翌日の10月27日、天候に恵まれ今回の撮影に至る。


ガリレオ衛星の中で最も内側を周るイオ、公転周期が短いので最も木星と重なるチャンスが多い。



撮影時間は、日が沈んで間もない18時58分から22時半までの間。

少しだけ間隔を開けて連続で撮影を続けた。


撮影間隔は適当。


時々風が吹いたり、雲がかかったりと時間通りに撮影出来ないのが理由。


風が止み、カメラの振動が収まり、よりクリアになった瞬間を狙って撮影している。

撮影始めに風が吹いた時は、撮影を一旦止め、風が止むのを待って再度撮影しなおしている。








 

撮影時のガリレオ衛星の様子


2022年10月27日19時22分

撮影時のガリレオ衛星の配置




イオは木星表面上にあるので映像では見えないが、実際は見える位置。右に見える衛星は左から順に、エウロパ、ガニメデ、カリスト。


全てのガリレオ衛星が勢ぞろい、順番もちょうど左側から公転軌道が木星から近い順となった。


ガリレオ衛星が写るように露出を調整しているので、明るい木星表面は白く飛んでしまっている。



眼視だと木星表面の模様から暗い衛星まで全てがくっきりと見えるのだ。


人間の目のダイナミックレンジは、カメラと比べると驚くほど広いので、望遠鏡で覗くと木星表面の縞とガリレオ衛星がくっきりと見える。


これが前回の記事で述べたとおり、望遠鏡で眼視を強くオススメする理由でもある。



この理屈は管理人が写真撮影で、いまだ一眼レフを好んで使う理由でもある。

一眼のファインダーも、ダイナミックレンジだけでなく、フレームレートまでもがほぼ無限大だからだ。



さらに、電池の消耗も気にする事もなく、目に優しい。高性能一眼レフファインダーだと逆に目が良くなるくらい。


液晶を凝視するミラーレスはは目に過酷で、気をつけないと視力が一気に悪くなってしまう。




 


使用機材はいつもの500mm f4、ゴーヨン望遠レンズ



撮影機材はいつも通り、ニコンAisED500mmf4.0PにビクセンNPL6mm接眼レンズを使って拡大撮影している。



ビクセン、スーパーポラリス赤道着で追尾、カメラはパナソニックGH4を使用。


いつも通り、動画で1分30秒ほど撮影した動画画像を、RegiStax6でスタッキングとWavelet処理を行った。


RegiStax6の使い方もちょっとだけコツがつかめてきたかな。

多くの機能がまだ意味不明なのだが、、、


RegiStax6で書き出した画像を最終的にフォトショップで処理している。






 



今回撮影した木星像の一部始終をgif画像にまとめた。



今回撮影した木星像を分かりやすいようにタイムラプス動画というか、gif画像にまとめた。

衛星イオが、木星表面に陰を投じながら左から右に移動していくのがわかる。



木星、衛星イオの木星面通過、500mm f4 望遠レンズ使用

木星像からシーイングの変化がよく分かる




撮影を始めた頃は、日も沈んで間もないまだ薄明るい時間帯。


大地表面も暖かく気流の関係からか、シーイングはなかなか安定せず、画像がぼやけている。


20時を過ぎると風も収まり、シーイングも良くなった。


そのまま安定するかと思いきや、再び不安定になって、風が吹いたり止んだり。

gif画像で木星像の変化を見るとシーイングの変化がよく分かる。



木星の仕上がりサイズがいくつか小さくなったりしてしまった。


それらは拡大調整している。

おそらくスタッキング処理で、サイズが若干変化されてしまうように思う。


今回初めて気がついた。



シーイングとは大気の安定度、惑星の見え具合。


超高倍率での撮影なので、ちょっとした大気の揺らぎでも画像は大きく乱れてしまう。


焚き火で熱せられた空気を通して遠景を眺める感じ、双眼鏡などで拡大して観るとゆらゆらも拡大されて背景はクリアに見えないのと同じ。


シーイングの変化、待機の透明度の変化から、木星像の画像処理は一筋縄ではいかなかった。





 

イオの木星面通過


衛星イオは19時16分から21時30分の間、およそ2時間14分かけて木星面を通過した。


今の時期、太陽は北を上にすると木星の右側から当たっていて、衛星イオの陰はかなり左側に投影されている。



木星の巨大な球面に投影される陰、木星左側に現われた影は細長い陰となっている。


撮影途中、上に掲載したガリレオ衛星配置の広い映像を撮ってしまった為、細長い陰の変化が分かる何枚か抜け落ちてしまっている。


個人的に、木星面を移動する衛星の動きの一部始終を見たのは初めて。


途中薄雲がかかったり、雲に隠れたりしたが大体晴れてくれた。

画像が時々暗くなるのは薄雲の影響。

あと、つぎはぎのようなものが現われるのは風の影響。

なるべく、風でブレた部分は動画編集ソフトで除外処理しているのだが出てしまう。

 


イオの公転の動き、木星の自転と同じぐらいのスピードで動いているように見える。


木星の高速自転周期10時間弱と比べると、木星が4周する間イオが1周弱するぐらいの速度差。

木星中心から42万キロこちら側、手前にあるので同じぐらいのスピードに見えるのだろう。



イオの公転周期は1.769日(42時間半)、地球を周る月の27日と比べるととても速い。

公転軌道半径は月よりも大きいのにもかかわらず、公転周期が短いのは木星の巨大な重力の影響。


それもそのはずで、木星の脱出速度は59.5km/秒、地球の11.18km/秒に対して5倍以上の速い速度が必要だ。


その強力な重力によって、宇宙をさ迷う隕石などの小天体を捉えてくれ、地球を隕石から守ってくれているというのも頷ける。


2001年、2010年宇宙の旅のように、木星に人類が行った場合、再び地球に戻る為には、秒速59.5km以上の速度を出さなければ、再び木星に引き戻されてしまうことになる。

木星表面の脱出速度なので、離れるほど脱出速度は遅くても済む事になる。


速度に乗って木星の重力圏を脱出した宇宙船は、地球に近づくにつれ、太陽重力でさらに加速する。地球に戻るには、減速に相当なエネルギーが必要なはず。実際木星に行ってから帰ってくるとなると、どんな軌道で旅する事になるのだろう?


そんな未来がやって来るかもしれないが、木星近辺、巨大な磁力と放射線もやばそうなので人類が行くのは無理かな?






 

RegiStax6の驚異的な画像処理能力


カメラにつなげたモニターに映し出される映像から、衛星イオの姿はほとんど確認できないほどにぼやけて見える。


望遠鏡として眺めると、けっこうクリアに見えるのだが。


下の画像は実際処理に使用した映像。

4Kで撮影した素材を、処理サイズ、ピクセル等倍になるようににクロップしたもの。




こんなにぼやけた映像が、上に掲載したの木星画像に化けてしまうのだ。

RegiStax6さまさま、とんでもない高度な処理がなされるのだな、つくづく感心してしまう。




 


土星像


ついでに土星像、画素ずらしして拡大率、縦横200%に上げて仕上げてみた。

ちなみに一番上の木星写真は、画素ずらし無しで140%に拡大している。


画素ずらしは、シーモスやらCCDのベイヤーセンサーでやっていると思われる、処理を真似てやってみたもの。


R赤、G緑、B青のもともと単色の4画素を処理して仕上がり画像には各ピクセルごとにフルカラー情報が仕組まれている、そんな事を妄想してやっている。



撮影素材は前回の10月7日に撮影した土星像と同じもの、処理でいろいろと手を加える事によって見ごたえのある土星像に仕上がった。



500mm f4 望遠レンズで撮影した土星、拡大撮影法


土星は、望遠鏡で眺めると黄土色に見えるのだが、写真に撮るとどうしても青緑色を帯びてしまい、見た感じの色と変わってしまう。


暗いので露出アンダー撮っていたのが原因なのかと思われる。

実際望遠鏡で覗くと黄土色に見えるのだが、錯覚なのかな?


今回は、よりそんな見た目に近づくように、フォトショップを使いオレンジフィルターをかけたりとけっこうな画像処理を行った。


実際土星を望遠鏡で覗いたのに近い色合いになった。



次回は撮影時に色温度と色相の調整をしてみようと思う。

土星がまだ西に傾く前に、今シーズンもう一度撮影に挑もうと思っている。


それと、サンニッパやらサンヨンなど、手元にある他の望遠レンズで木星の撮影にチャレンジしようかと考えている。






 

撮影中、UFOらしきものを目撃!


話は変わるが今回、生まれて初めてUFOらしきものを目撃!

超高速で移動する飛行物体、感じ的には人工衛星のようだったが、その速度は飛行機や人工人工衛星の比では無いぐらい高速で音もなくまっすぐと飛んでいった。



時刻は19時12分、方角は東の空、45度辺りから西の空へとまっすぐ移動。


上空にはいくつもの人工衛星、始めはそのうちの一つかと思った。


速度は人工衛星の8倍ぐらい、明るさはISSの最大光度と同等ぐらいで何かしら緑がかっていた気がする。


木星撮影で液晶をずっとながめていて、眼は夜空に慣れていなかったので正確では無い。

感じ的には人工衛星の一つのようで、宇宙の地球周回軌道を廻っているようだったが、ありえないくらいに超高速。


これが地球周回軌道上だとすると、64km/秒のスピード。


飛行機としても、定期便としてはありえないぐらいの速度、全くの無音。


ドローンの可能性はあるかもしれないが・・・、


木星撮影中、妻がこの飛行物体を教えてくれたのだ。

空を眺めていて目が暗い空に慣れていた妻は、細かく前後に行ったりきたりを繰り返しているように見えたと言っていた。


この飛び方、見え方普通ありえない。

個人的には今回の木星像以上の収穫。


この3次元空間に、人類以外の何者か、もしくは隠された超ハイテクマシン、と時と時間を一瞬ながらともにしたのだ。管理人の頭の中では、そういう事になった。


これから夜空を眺める時は、いつでもUFOが撮れるよう、ピントを無限に合わせた望遠レンズを取り付けたカメラを手元においておいたほうが良さそうだ。



撮れたらブログに書く予定だが、

うん十年夜空を眺めて、1度っきりのイベント、そんなものを捉えるのは難しそうだが。



 


とりあえずはここら辺で。


今回は、以前に増してニコンの古いマニュアル500mmレンズの性能をかな引き出せたかと思う。このレンズ、まだ余力はありそうな気がするが、いろいろと工夫して更なる高画質を目指そうと思っている。


管理人のモットーは今あるものでの最高画質の追及!?


これをこだわると、何も買う必要が無いのだ。


カメラ業界に全く貢献していないじゃん!




2023年は8月27日に土星が衝となり、最も見ごろ。衝は太陽、地球、土星と一直線になり、最も近く大きく見えます。真夜中に南の空高く昇ります(南中)。

ちなみに同日木星は、夜中過ぎに東の空に姿を現します。木星が衝を迎えるのは11月3日になります。


口径7cmの天体望遠鏡だと、土星の輪を見る事が出来ます。





 

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